3M

ジョルダン・サンド*1「観光都市東京の百年(上)」『図書』(岩波書店)826、pp.30-33、2017


曰く、


十九世紀末からいわゆる世界都市*2は、メガ・イベントMega-eventとモニュメントMonument、そして先端技術という三つのMで国際的にアピールしようとしてきた。メガ・イベントはオリンピックやワールド・カップなど大規模イベントを指す比較的新しい言葉だが、博覧会も明らかにこの範疇に入るので、一八五一年のロンドン万博は世界最初のメガ・イベントといえる。モニュメントは記念建築や石像など恒久構造物を連想することが多いが、記念写真を撮るような名所旧跡などにもモニュメント性がある。実際、観光業においては、モニュメントが果たす主要な役割は相当程度写真が生み出してきた。そして近代性を単純に物質的進歩とするならば、一世紀以上にわたって、観光客の国際的誘致やメガ・イベントの主催で名声を高めようとするどの都市も、建築や交通技術、電化(現在はデジタル化)などの物質面で最前線にあることを誇示してきた。百年前の東京も例外ではない。(p.30)