44.7%

籏智広太*1「政治家の発言の45%が「誤情報」 10年間フェイクと向き合った専門家が語ったこと」https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/politifact


日本でも最近「ファクトチェック」専門のNPO「ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)」*2が設立されたが、米国では「フェイク・ニュース」という言葉がまだ流行っていなかった2007年に既に「ファクトチェック」専門のウェブサイトが立ち上げられている。PolitiFact*3は2007年以来、1万3000件以上の政治家の言説を検証してきた。
FIJ設立記念シンポジウム*4で基調講演したPolitiFactのAaron Sharockman事務局長の話。


「PolitiFact」が調べたの言説のうち、44.7%は一部か全部が間違っており、完全に正しかったのは15.6%にすぎなかったという。

「これをもってすべての政治家がそうだ、ということはできません。それでも私たちには、一般の人たちが真実とそれ以外を見分けらえれるようにする、という使命があります」

政治家による誤情報は、トランプ大統領が群を抜いているとも指摘する。分析した530言説のうち、およそ70%が誤情報だったからだ。

なかでも、全く根拠のなかった言説は75件。これは、オバマ大統領とヒラリー・クリントン候補の合計をも上回っているという。

トランプ大統領は、フェイクニュースという言葉を400回以上使っている。それは本来の意味ではなく、彼が気に入らないことをそう指摘しているのです。それこそが、問題だと言えます」

一瞬驚くが、間違いといっても、致命的な間違いとマイナーな間違いは区別しなければいけないのではないかと思った。

 右と左、リベラルと保守など、社会の極性化が進む中で、自分と意見が違えば、客観的なファクトチェックも信じない人が増えているのではないか。会場からはそんな質問も出た。

「何か問題がある場合、事実を理解したうえで、それぞれが信じることを引き出してもらいたいが、今の世の中では信じることが先になってしまっている。インターネットでそうした情報をいいとこ取りできるからでしょう」

「それでも正しい情報は、社会の両極の間にいる大勢の人たちに届くはずです。彼らが適切な情報を提供されたとき、より良い選択ができるようになっていくのではないでしょうか」

そのうえでアーロンさんは「できるだけ多くの人たちに会って、真実を広げること、話し続けることが大切です」とも強調する。

「PolitiFact」では、テレビ番組で毎週ファクトチェックの結果を発表しているほか、さまざまな政治団体などにも直接足を運び、その意義や客観性が担保されていることを説明するという。


Facebook社とも協力し、ネット上に飛び交う「フェイクニュース」とみられる情報のチェックも担う。ただ、リソースが足りているとは言えない。

「誤情報はとても早く拡散する。すべてをモグラ叩きのように確認していくのは、ガンジス川の水をコップ一杯で入れ替えるような作業です。止めることは、簡単ではありません」

だからこそ、メディアだけではなく、プラットフォームや広告業者で取り組みを進めていくことが重要ともいう。

「ファクトチェックは、とても労力が必要である作業です。その一方で、わくわくするような結果が生まれないこともある。猫のビデオのように、拡散もしないことだってある」

「しかし、大切なことなのです。ファクトチェックがより浸透していくことで、人々が、政治家の言葉に批判的に耳を傾けるようになるかもしれない。それは、政治家への脅威ともなりうるのですから」

*1:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170224/1487910099 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170226/1488077743 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170228/1488291005 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170303/1488508478 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170305/1488726602 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170306/1488817967 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170308/1488946981 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170309/1489024533 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170310/1489109908 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170406/1491451136 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170518/1495124746 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170602/1496371973 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170808/1502206282 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170828/1503891141 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170901/1504234324 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170915/1505482432 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20171016/1508130214 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20171029/1509242444 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20171030/1509328817 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180216/1518745088 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180218/1518914252 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180312/1520820898 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180313/1520911677 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180314/1521040212 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180320/1521545409 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180322/1521735826 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180324/1521817988 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180327/1522079446 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180404/1522810591 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180408/1523167515 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180420/1524210748

*2:http://fij.info/

*3:http://www.politifact.com/

*4:http://fij.info/archives/news_event/18030901