「関係者」とか「幹部」とか

北島三郎さん*1って、息子さんを亡くされたばかりだった筈。この『週刊新潮』の報道はまあ四十九日はともかくとして初七日が明けるのは待ったというところだろうか。


「裁判で暴露された「北島三郎」と暴力団幹部の関係 馬主資格剥奪の危機」https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180328-00540100-shincho-ent


曰く、


件の裁判は、都内の業者が2016年に起こした8000万円の求償債権(他人の債務を弁済した者が、その他人に弁済額の返還を求める権利)を請求する訴訟である。北海道函館市の「北島三郎記念館」建設にあたり、建設主が銀行の融資を仲介したブローカーに約束した という“取り分”の未払いがその発端だ。

「支払いが一向になされずブローカーが激怒し、山口組系の暴力団関係者を頼ったというのです。その関係者は施設が『北島』の名を冠していることから、北島と旧知の間柄だった別の山口組暴力団幹部に話を持ち込み、支払いを促そうとした」(司法担当記者)

 それを知った北島は交渉を幹部に任せたのだが、この幹部は件の裁判の原告である男性に相談し、男性は8000万円を“肩代わり”した。この度の訴訟はその支払いを北島サイドに求めるもので、つまり北島は、まったく面識のない相手から訴えられてしまった格好なのだ。

 暴力団幹部(青山氏・仮名)は数年前に引退し、現在は「元幹部」の身だが、法廷で明らかになった北島との関係は生々しい。例えば青山氏が提出した陳述書では“1964年夏に北島と兄弟分の盃を正式に交わした”と明かされていて、

〈兄弟分となったことが世間に知られると北島の芸能活動に支障がでるので、私はあくまで黒子に徹する〉(陳述書)

 北島の長男で「北島音楽事務所」の大野龍社長は、青山氏との交際を認めつつも、

「私は彼を暴力団関係者だとは知りませんでした」

 と答える。この問題が“芸能界の古き良き時代の話”として片づけられないのは、引退したキタサンブラックでも知られるように、北島が複数の競走馬の馬主であるからだ。日本中央競馬会JRA)の馬主登録審査基準では、〈馬主として適格でないと認める基準〉として〈暴力団員と親交があると認められる者、又は過去に親交があったと認められ競馬の公正を害するおそれがあると認められる者〉とある。

まあ北島さんに限らず、特に演歌関係の人のやの字との交流というのは、伝統的な地方興行というビジネスの在り方も含めて、暗黙の了解というか、敢えて書かないけれど知っているというものだと、暗黙の了解をしていた。競馬の「馬主登録審査基準」において、本人が「暴力団員」であるだけでなく「親交があると認められる者、又は過去に親交があったと認められ」る者もアウトだいうのは知らなかった。「競馬の公正を害するおそれ」というのは理解できるけれど*2、日本の競馬においてやくざがドーピングや八百長などの不正を仕掛けたという話は聞いたことがない。
それはともかく、「兄弟分の盃を正式に交わした」というのは単なる「親交」があることとは全く次元が違うだろう。そういえば、星野哲郎が作詞した「親の血を引く兄弟よりも/かたいちぎりの義兄弟」という「兄弟仁義*3って北島三郎の持ち歌というか、代表曲といってもいいんじゃないか。