神戸のハロウィン

昨年は分裂の影響で中止された、神戸の山口組総本部のハロウィンが今年は近所の神社で復活。


週刊SPA!編集部「六代目山口組が2年ぶりにハロウィンを復活。その裏事情とは?」http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161115-01236769-sspa-soci&pos=1


曰く、


「『近隣住民への懐柔策だ』と批判する声もありますが、山口組のハロウィンは、昨日や今日の流行りに乗ったものじゃない。終戦直後から30年以上にわたって山口組を率いた、田岡一雄三代目の時代から続く伝統なんです」(ヤクザ専門誌記者)

 日本でハロウィンが浸透したのはここ10年足らずの話だが、少なくとも山口組は’80年代以前からお菓子を配っていたという。

「総本部がある地域は神戸有数の高級住宅街。外国の領事館員や駐在員の住民が多く、事情を知らない子供たちがハロウィンで訪ねてきたそうです。困った若い衆はとりあえず小遣いを与えて帰らせたが、その話が広がってどんどん子供が来るようになってしまった。これは何事かと田岡三代目が調べさせ、以後はお菓子を用意するようになったそうです」(同)

また、


秋山謙一郎*1「ヤクザと共生する街、神戸市民の意外な「山口組観」」http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161116-00108103-diamond-soci&p=1


上述の「山口組のハロウィン」の「裏事情」(困難)についても詳しく記述されている。
少し引用;


元々、神戸市民にとって山口組をはじめとする暴力団という存在は、さほど怖い存在ではない。むしろ親しみある存在だ。その扱いは、三菱重工業神戸造船所川崎重工業神戸工場、神戸製鋼所といった「神戸にある著名全国企業」と同格といっていい。

 神戸生まれ、神戸育ちだという70代女性は、神戸市に住む高校生が高校枠で就職を希望する場合、戯言が過ぎる教員のなかにはこう進路指導する者もいたという。


「お笑いができるなら吉本興業へ。勉強が出来るなら三菱か川重、神鋼もいい。ソロバンが上手なら神戸銀行(現在の三井住友銀行の源流のひとつ)へ。腕っぷしが強いなら上組*2に。腕っぷしに自信があって頭も良くて、ソロバンが弾けるかお笑いができるのなら“山口組”や」

 大阪に本社を置く吉本興業を除いては、すべて神戸に根付いた全国規模の企業である。もちろん現在では、たとえ冗談でもこのような進路指導は許されないだろう。しかし現在70代の女性が高校生だった昭和30年代後半から40年代初めは、暴力団(ヤクザ)を取り巻く状況が現在とは大きく異なっていた。


 「今の親分さん(六代目山口組組長・司忍氏)は、もともと名古屋の親分さんと聞いてます。それでも神戸のためにようやってくれてはると思います」

 山口組総本部近くに住むという小学生の子を持つ40代主婦は、このように六代目山口組組長・司忍氏にエールを送る。それは暴力団を信奉するというのではなく、地元で尽力する政治家や財界人、活躍するスポーツ選手や芸能人への敬意に近いものである。


ヤクザと共生する町・神戸では、公衆浴場に行けば全身刺青の、ひと目でそれとわかる男性が入浴している場面に出くわすことも珍しくはない。そうした入浴中のヤクザに気軽に声を掛ける市民もいるくらいだ。

 「お兄さん、ごっついの背負ってるな。山口組さん、それとも神戸(神戸山口組)さん? 大変な時期やろうけど頑張ってや! 」

 こう声掛けされた刺青姿の男性は黙って会釈を返す。その様子はまるでスポーツ選手がファンに会釈する姿を彷彿とさせるものがある。

秋山氏も言及しているけれど、「山口組*3に対する感情の背景には阪神大震災の記憶があることは間違いない。