AbemaTIMES「日本は赤ちゃんを捨てる国?慈恵病院の「内密出産」で浮き彫りになる"望まない妊娠・出産"の実態」http://www.huffingtonpost.jp/abematimes/baby-0216_a_23363274/
2007年に「こうのとりのゆりかご(通称赤ちゃんポスト)」を設置した熊本市の慈恵病院が導入した「内密出産」について。
望まない妊娠によって産まれた赤ちゃんを救うため、2007年に設置された「こうのとりのゆりかご」。以来、同病院には10年間で130人が預けられた。しかし、ここ数年は自宅などでの"孤立出産"*1により、直ちにケアが必要な未熟児などの割合が半数近くにまで増えているという。また、親が誰なのか分からず、"捨て子"状態になってしまった子どもたちもいるのだ。こうした状況から、既にドイツで制度化され、これまで346人が産まれている「内密出産」の仕組みに着目したという。
日本の法制度では、まず妊娠がわかった時点でまず市町村に届け出て、母子健康手帳の交付を受けるが、その際には身分を明らかにすることが不可欠だ。また、出産後は速やかに出生届を提出しなければならず、匿名で出産を行うことは基本的には不可能となっている。このため、様々な事情で身分や妊娠の事実が発覚してしまうことを避けたい女性たちによる"孤立出産"が発生してしまうという。
「匿名で出産し、そのまま預けることができれば、自宅での危険な出産ではなく、病院での出産を受け入れてくれるお母さんもいるかもしれない」と蓮田副医院長が期待を寄せる一方、日本での「内密出産」の導入にあたっては、子どもの戸籍を巡る問題や、出産に関わる費用の負担、出自の開示といった多くの議論すべき問題をはらんでいる。慈恵病院がある熊本市も「国による法整備が不可欠」としており、加藤勝信厚生労働大臣は「仮に熊本市からご相談があれば、私どもとしても対応する。まずは話を聞かせて頂きたいと思っている」とコメントするなど、制度面の課題も残されている。
最後のセンテンスはちょっと意味がわからない。特例においては、親についての情報開示を拒絶することもできるということ?
千葉経済大学短期大学部の柏木恭典准教授は、「内密出産」について「昔からヨーロッパには匿名で出産できる仕組みがあった。そもそも日本には妊娠に悩んでいるお母さんが相談に行ける場所がほとんどない。中絶するのか産むのか、まずその判断に対応できる医療スタッフもあまりいない。ドイツでは町中に『妊娠葛藤相談所』というものがあり、相談員が話を聞いてあげてゆっくりと信頼関係を築き、出産後も継続的なケアをするのが当たり前に行われている」と話す。また、産まれてきた子どもが、自身のルーツについて知る権利をどう考えるのかも重要な問題だ。柏木氏は「ドイツでは子どもが望めば、16歳になった時に自分を産んだ母親について知る権利もある。性暴力で妊娠したケース、あるいは父娘の間で妊娠したケースなど、それが困る場合は、匿名で出産をする選択も残されている」と説明する。