或いは刑罰のパラドクス?

朝日新聞』の記事;


元テレ朝社員を強制性交容疑で逮捕 出所後また性的暴行

2017年10月16日12時32分


 マンションに侵入し、一人暮らしの女性に性的暴行を加えたとして、大阪府警は、元テレビ朝日社員で住所不定の無職岡部順一容疑者(55)=2002年に同社を懲戒解雇=を強制性交と住居侵入の疑いで逮捕したと16日明らかにした。岡部容疑者は13年前、強姦(ごうかん)罪などで懲役10年が確定し、その後出所していた。府警は他の事件にも関与していたとみて捜査している。

 捜査1課によると、岡部容疑者は7月20日未明、大阪市内のマンションの一室に侵入。女性(当時29)にタオルで目隠しをして両手を縛り、性的暴行を加えた疑いがある。大筋で容疑を認め、9月に逮捕されて強制性交罪などで起訴されたという。今月11日にも、近くの別のマンションで5月に就寝中だった住人女性(当時31)に暴行したとして強姦致傷容疑などで岡部容疑者を再逮捕。この事件については黙秘しているという。

 両事件のマンションはともにオートロックで、部屋の玄関は無施錠だった。7月20日の事件と同じマンションでは他の部屋でも無施錠の玄関から男が侵入して一人暮らしの女性が乱暴されそうになる事件があった。岡部容疑者が当時住んでいた場所から近いことなどから府警が関連を調べている。

 捜査関係者によると、岡部容疑者は02年に東京都内のマンションに侵入して就寝中の女性に暴行したなどとして、04年に強姦罪などで懲役10年の実刑判決が確定して服役。12年に出所していたという。

 今年7月施行の改正刑法で強姦罪は、強制性交罪に名称が改められている。
http://www.asahi.com/articles/ASKBJ3CGZKBJPTIL003.html

テレ朝はこの男の軌跡を是非ともドラマ化すべきだよ。
さて、〈罪を償う〉という表現があるが、刑事政策の基本として、犯罪行為によって社会が被った損失を算定して、有罪者に対しては、それに見合った経済的損失を与えたり(罰金刑)、自由の剥奪を行ったりするということがある。勿論、矯正という側面もある。一方では個人の内面における自由に抵触する虞があるとともに、他方では犯罪者が自発的に罪を認め・反省しない限り、矯正というのは機能しないのではないか。性犯罪の場合、再犯が多いという印象があるけれど、そもそも性犯罪者の多くは反省していないし、罪の意識さえないことも少なくないのでは? 有名人でいうと、某エコノミストとか、(不起訴になった)元TBS社員とか。反省もせず罪の意識さえないかも知れない犯罪者を判決に従って、何年間も刑務所に閉じ込めておくと、どんなことが起こるのか。表面的には、真摯に反省したふりをして、刑務官や世間の自己満足を誘うのかもしれない。しかし、実際のところ、自分は不当に自由を奪われている! というルサンティマンを蓄積しつつ、刑期満了の日までじっと耐えているのでは? 何が言いたいのかといえば、性犯罪者に対して判決を下し・それを執行するという正当な振る舞いが却って、性犯罪者の危険性を増大させて、社会で性犯罪が起こるリスクを増大させているという可能性もあるのではないかということだ。
岡部順一の生涯をドラマ化する場合、そのストーリーの中心は彼が刑務所の中でどのように暮らしていたのかに置かれるべきだろう。