某人が東洋大学で社会学の学位が取り消されたということを呟いているのを聞いて、もしかして知り合い? と思って、TだとかKだとかOだとかの顔を思い浮かべつつびくびくしていたのだけれど、知り合いではなかった。名前は聞いたことはあるものの、面識はなかったのだった。
東洋大学「博士学位の取り消しについて」http://www.toyo.ac.jp/site/news/331054.html
竹村牧男、中村功「博士学位の取り消しについて」http://www.toyo.ac.jp/uploaded/attachment/112935.pdf
問題は「出典の記載なく引用するなどの剽窃」。さて、この学位論文は既に単行本として上梓されているのだった。勿論読んだことはないけれど、この本を書評する某blogエントリー*1を読んで、ああそうなんだと腑に落ちてしまった。曰く、
博士論文をもとにした単行本の「剽窃」問題においてミネルヴァ書房は即座に絶版を表明したけれど*2、学文社はどうするんでしょうか。
さらに、「何だ、この違和感は」と思って最後まで読んでいましたが、その違和感の正体の謎は参考文献一覧を見て解けました。この本では、英語で書かれた海外の研究の成果はほとんど参照されていないのです。もちろん、本書でも重要な位置付けを担うベルの研究などが参照されますが、その全てが邦訳のあるもの。勘ぐれば、「この著者は、英語が読めないのでは?」と。
もちろん、海外の研究を参照しないこと自体、研究分野によっては十分にあり得ることだと思いますが、流石にこの分野ではあり得ないでしょう。本来は、当然のように参照にされるはずの各種海外の研究が参照されず、必ずしも多く参照されることのない研究が重要なところでも参照されているから、私は違和感を抱いたのです。