Dementia with Lewy Bodies

市川衛*1オノ・ヨーコさんに報道「レビー小体型認知症」とは」https://news.yahoo.co.jp/byline/mamoruichikawa/20170427-00070290/


曰く、


昨日(4月26日)発売の週刊新潮は、オノ・ヨーコさん*2レビー小体型認知症(DLB)という病気になっている、とする記事を掲載しました。とはいえ情報は弟さんの証言をもとにしており、ご本人や担当医などのコメントは出ていないようですので、真偽については不明です。
管見の限り、ウェブでは読めないようだ。
レビー小体型認知症(DLB)」について;

認知症になる原因は非常に様々なものがあるのですが、レビー小体型認知症(DLB)は「アルツハイマー型」「脳血管型」に次いで多いとも言われています。全身の神経細胞に「レビー小体」という物質がたまり、働きが衰えてしまいます。

特徴的な症状として幻視(そこにいないはずの人やものが見える)があり、以前は「進行が早く、発症してから亡くなるまで8年ほど」とも言われていました。介護現場でも「介護が大変」と言われ、病名を伝えただけで入所を断られるケースがあったといいます。

しかし最近、こうしたイメージのなかに「誤解」があることもわかってきました。

DLBになった人では、様々な薬に過敏に反応するようになる傾向があり、普通なら問題ない量の薬でも強い反応(体が固まって動けなくなる、寝たきりになるなど)が起きてしまうことがあります。このことを知らないと、薬を減らせば症状が収まるのに、「病状が悪化した」と誤解されて逆に薬を増量され、さらに悪化する…という悪循環に陥るかもしれません。

最近では、こうした誤解に気づき、適切な対策をとることで、DLBと診断されても穏やかな暮らしを続けていられる人も増えているといいます。

後半には、樋口直美さんという方*3へのインタヴューが収録されている。

この病気は、誤診がとても多いので、本当にレビー小体型認知症(DLB)かどうかは、まだわかりません。ご本人のコメントも出ていないので、慎重に考えないといけないな、と思っています。

ただ、仮にオノ・ヨーコさんが本当にDLBであったとしても、以前とは状況が変わりつつあります。私が診断されたころは、医師に「進行を遅らせるために私にできることは?」と質問しても「ないんですよ」と言われました。どれだけ調べても希望の持てる情報はなく、あまり長くは生きられないのだと絶望しました。

でもその後、色々な医療者に会って話したり、自分の症状を観察したりすると、DLBでも適切な治療(薬の調整など)やストレスをためない暮らし(周囲の方々の接し方を含め)をしていれば、良い状態を長年保てることがわかってきました。いまでも幻覚(幻視、幻聴)、時間の距離感がない、嗅覚や自律神経の障害などはありますが、医師と相談して抗認知症薬の量を調整することで、良い状態を保てています。


ぜひ知っていただきたいのは、アルツハイマー病とは全く症状の違う「レビー小体型認知症」という病気があること。その症状は、一般にイメージされる「認知症」とは違って、体調不良も目立ち、誤診されている人も多いこと。薬剤に過敏に反応してしまう人が半数以上いるといわれています。良かれと思って使っている薬で悪化しているかたも、少なくないと思います。

そして幻視は、私たちにとっては、脳の誤作動によって「本当に見える」ものであり、頭がおかしくなっているのではないのだということ。本人も周囲も「異常なものではない」と幻視を受け入れられれば、薬で無理やり消す必要もなく、見えても穏やかに共存できることを知ってほしいと思います。

別の場所にある「認知症になっても人の価値は変わらない」という樋口さんの文章*4から;

2013年、私はレビー小体型認知症と診断されました。41歳でうつ病と誤診され、治療で悪化した日から9年という歳月を経て、やっと正しい診断と治療にたどり着きました。 
 現在では、自律神経障害以外の症状はほぼ消え、認知機能も正常化しました。その回復の記録をこの夏に上梓することができました。(『私の脳で起こったこと レビー小体型認知症からの復活』)

この病気は、ストレス(不安・恐怖)によって悪化します。安心し、自信を取り戻し、人と楽しく笑って過ごせば、症状は治まることを体験しました。これは、アルツハイマー病でも同じだと聞いています。
 幻視や注意力の低下など多種多様な症状が出て、日常生活に困った時にも、思考力だけは衰えることがありませんでした。
 「認知症の人」と十把一絡げに呼ばれる私たちの本当の姿と医療者・介護者・世間の人の認識には、非常に大きな隔たりがあると、私は考えるようになりました。
 病気になったから困った言動をするのではありません。日々知性を失うわけでも人格が崩壊するわけでもありません。認知症を巡る多くの問題は、病気そのものが原因ではなく、人災であると私は考えています。

私たちは「認知症の人に見えない」と言われ続けています。これが真の姿だとは、中々認めてもらえません。
 「認知症の人に見える人」を日本で大量生産しているのは、「認知症の人」を追い詰める限りなくアウェイな環境と不適切な医療ではないでしょうか。
 私たちは、皆さんと全く同じ普通の人間です。ただ少し障害があり、病気によって違うその不便さを懸命に乗り越えながら暮らしています。病名を言った途端に「知性を失った異常な人」と見られることが度々ありますが、それは、全くの誤解なのです。
また、

認知症ONLINE 編集部「樋口直美さんインタビュー「私の脳で起こったこと レビー小体型認知症からの復活」」https://ninchisho-online.com/archives/13315/


DLBについての一般的な知識;


レビー小体型認知症とは」https://info.ninchisho.net/type/t20
Wikipedia(英語)https://en.wikipedia.org/wiki/Dementia_with_Lewy_bodies
(日本語)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%BC%E5%B0%8F%E4%BD%93%E5%9E%8B%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87


パーキンソン病*5との類似が指摘されているけど、「パーキンソン病」でもレヴィ―小体の蓄積が認められるという*6