Kenji said

承前*1

片岡健「「私はヒ素を飲んでいた」再審請求棄却の林眞須美死刑囚の夫・健治氏が訴え続ける理由」https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170416-00005969-bengocom-soci


林眞須美の夫、林健治へのインタヴュー。
要するに、眞須美が自分に砒素をもったのではなく、「保険金詐欺」のために自ら砒素を摂取したのだという。


ワシは20回以上、ヒ素中毒で入院してるんや。それだけ何度もヒ素を盛られ、気づかんわけがない。ヒ素を飲んだら下痢も嘔吐もすごいんやから。そもそもヒ素は耳かき一杯の量で人が死ぬ猛毒やから、眞須美がワシを殺そうとヒ素を盛ってたんなら、そんなに何回も殺しそこなうはずがない。ワシは自分で加減しながらヒ素を飲んでいたから、生きてるんや。

「くず湯事件」についても、ワシが自分で「抹茶かたくり」という食べ物にヒ素を入れて飲んだというのが真相や。眞須美の裁判ではワシの他にも1人、知人の男が眞須美に死亡保険金狙いでヒ素を飲まされたことになってるけど、その男もほんまはワシの真似して保険金詐欺をやろうと自分でヒ素を飲んでたんやから。

砒素を飲み始めたきっかけというのが凄い;

――元々、ヒ素を飲んで保険金詐欺をやろうと思ったきっかけは?*2

カレー事件の10年ほど前にシロアリ駆除の仕事をしてた頃、仕事で使っとったヒ素をちょっと舐めてみたのが最初やった。それ以前にある人から「ヒ素は猛毒やけど、毎日少しずつ飲めば、免疫が強化されて健康になるんやで」と聞かされていて、試してみたくなったんや。そしたら嘔吐や下痢がどえらいことになって。入院したけど、手足もしびれて、握力が20なんぼしかない状態になった。そんな折、保険外交員をしとった眞須美のお母さんから「保険には、死亡保険金と同額をもらえる高度障害保険金っていうのがあるんよ」と聞かされて、それを狙おうと思うたんや。

――で、高度障害保険金をどうやってだまし取った?

医者に「両手足が一切動かず、終身介護を要する」という内容の診断書を書いてもらい、保険会社に保険金を請求したんやけど、そのためには病院で入院中、手足が一切動かんように振る舞わんとあかん。そこで入院中は眞須美に付き添わせ、ワシが寝返りを打ったのに看護婦が気づいたら、「体勢が苦しいと主人が言うんで、私が体の向きを変えたんです」と言わせたり、看護婦の前でワシのオムツを替えさせたりもしたな。

それで2億の高度障害保険金を手にして以来、ワシはヒ素を舐めて入院し、保険金をだまし取る詐欺を繰り返すようになった。裁判では、1億6000万円をだまし取ったことにされたけど、実際には8億くらい取ってるはずや。

――ヒ素を飲まず、病気の演技をするだけではダメだった?

病院では、血圧測定、筋電図、MRI血漿交換・・・と、あらゆる検査、治療をされるから、まったくの仮病でだまし切るのは無理や。ヒ素を飲んでおけば、病院はいつもいくら調べてもワシの嘔吐や下痢の原因がわからず、急性腸炎ということにされてたな。

砒素を「毎日少しずつ飲」んで「免疫」を「強化」するって、それなりに広まっている民間療法(代替医療)なのか。まあこの「免疫」という言葉の使い方は間違っているといえるが。耐性(tolerance)とした方が妥当だろうか。林夫妻が砒素を舐め舐め身体を張って詐欺を行っていた頃、病院では砒素の検査はしていなかったわけだけど、現在では(この事件の教訓ということで)血液中の砒素濃度も調べているのでは?
夫婦の現在;

――今、眞須美さんとの関係は?

ワシは今、体が不自由なんで、眞須美のいる大阪拘置所までなかなか面会に行けへんのやけど、眞須美からは「寂しいから、はよ拘置所の近くに引っ越してきて、面会に来てよ」という手紙がたまに届いてるな。それでも面会に行かないでいると、次は離婚届が届くという繰り返しで、離婚届はもう7回送られてきてる。

逮捕されて19年になるんで、眞須美も大変なんやと思う。世間の人らがあまりにも事件の本当のことを知らんので、ワシもこれからは遠慮せず、本当のことをどんどん訴えていこうと思ってるよ。