「森友」を越えて、など

承前*1

日刊ゲンダイ』の記事;


第2の森友か 首相親友の学校法人に36億円の土地無償譲渡

2017年3月4日 10時26分

日刊ゲンダイDIGITAL
 国会では連日、安倍首相の昭恵夫人が名誉校長に就任していた小学校の新設予定地として、評価額9億5600万円の国有地が大阪市の学校法人「森友学園」にタダ同然で払い下げられた問題が追及されているが、こちらはケタが違う。愛媛県今治市が、安倍首相と昵懇の学校法人に16.8ヘクタール、36億円相当の土地を無償譲渡することが分かった。

 譲渡されるのは、今治新都市第2地区の高等教育施設用地。市はこの無償譲渡を盛り込んだ2016年度補正予算関連議案を3日開会の3月定例議会に上程、本会議で可決すれば正式決定となる。

 この土地に新設予定なのが、学校法人「加計学園」が運営する岡山理科大獣医学部だ。学園の加計孝太郎理事長は、安倍首相の米国留学時代からの親友。頻繁に食事やゴルフを楽しむ仲だ。第2次安倍政権になって以降、首相動静に12回も名前が登場する。昭恵夫人も交えて会うこともある。

 14年には、加計学園が運営する千葉科学大の10周年式典に安倍首相が来賓として出席。「どんな時も心の奥でつながっている友人、私と加計さんもまさに腹心の友だ」と祝辞を送った。首相が防衛大学校以外の大学の式典に出席するのは異例のこと。森友学園の籠池理事長より、はるかに懇意なのは間違いない。

「安倍首相に近い学校法人が今治市の土地をタダで手に入れ、しかも校舎の建設費や整備費まで市が負担するという。その額はなんと243.5億円と計上されています。規制の厳しい獣医学部が国内で新設されるのは52年ぶりですが、16年1月に今治市が国家戦略特区に3次指定されたことで可能になった。今治市獣医学部の新設が認められない構造特区から国家戦略特区に変え、加計学園が参入できるようにしたのです」(今治市選出の福田つよし愛媛県議)

 今年1月、内閣府文科省獣医学部を新設する認可申請を受ける特例措置を告示、手を挙げたのは加計学園だけだったという。

 昭恵夫人は、加計グル―プの学校法人「英数学館」に「安倍内閣総理大臣夫人」の肩書で、下村文科相(当時)夫人とともにメッセージを寄せたこともある。

 驚くことに、森友学園が新設する小学校の名誉校長に就任していた昭恵夫人は、“ゴル友学園”が運営する保育施設の名誉園長にもなっていた。産経新聞(15年9月20日付)に、こう書かれている。

安倍晋三首相の昭恵夫人は19日、神戸市東灘区の認可外保育施設「御影インターナショナルこども園」を訪問し、集まった保護者ら約60人を前に、「日本の英語教育」などをテーマに講演を行った。同園によると、安倍首相は、同園を運営する学校法人加計学園の加計孝太郎理事長と古くからの友人で、同学園のグローバル教育に携わってきた昭恵夫人の名誉園長就任を受け、講演が実現した〉

 加計学園の事務局に事実関係を問い合わせたところ、「昭恵夫人に名誉園長に就任していただいたことは間違いない。現在も名誉園長のままです。今治市獣医学部は来年4月に開校予定ですが、土地の無償提供に関しては、私では分かりかねます」とのことだった。

 加計学園には、国からも税金が投入されている。文科省の「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」の対象校になっているのだ。14年度は予算総額34億円の事業で、申請があった237件から25件が選ばれた。その中に加計学園が運営する「千葉科学大学」と「倉敷芸術科学大学」の2件が入っている。

 安倍首相の周辺では、昭恵夫人を名誉校長にすると、漏れなく土地がタダ同然で手に入り、補助金までもらえる特別なシステムがあるのだろうか。
http://news.livedoor.com/article/detail/12751943/

「第2の森友」ということだけど、純粋に疑獄事件として考えれば、こちらの問題の方が深刻(重要)なのではないか。「森友学園」が大阪ローカルのいかれた中小企業なのに対して、「加計学園」の方は一応全国展開している大企業である。「御影インターナショナルこども園」って、「塚本幼稚園」とは正反対のイメージだよ。多分「塚本」にはそっぽを向くであろう「グローバル・インテリ」(笑)の方々も「御影インターナショナル」の方には心惹かれるかも知れない。
加計学園」については、http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20170303/1488499543も。
大阪ローカルに話を戻す。
朝日新聞』の記事;

森友学園の「連携合意」報告、相手法人は「事実無根」

石原孝

2017年3月5日05時00分

 学校法人「森友学園」(大阪市)が4月開設を予定している小学校を巡り、先月開かれた大阪府の私学審議会で、「愛知県の中等教育学校と推薦入学枠の提供で合意した」と報告されたが、この学校を運営する学校法人は「合意は事実無根」と否定している。府教育庁は「両者が合意したかは確認できておらず、報告に事実と異なる内容が含まれていれば指導する」としている。

 小学校は3月23日に開かれる予定の私学審議会の議論を経て、府教育庁が認可すべきかどうか判断する方針だ。府関係者によると、2月22日に開かれた私学審議会で、学園側は新1年生と新2年生で80人ずつ募集したものの、入学予定者は40人と5人だったと報告。寄付金などに頼った収支想定も示されたが、委員から厳しい指摘が相次いだ。

 審議会で配られた資料では、学園側は新年度以降の児童確保に向けた取り組みの一つとして、「連携する(愛知県の)中等教育学校への推薦入学制度のアピール」とし、「本校卒業生に対する推薦入学枠を提供して頂くことで合意している」などとし、「定員の確保を実現する」としていた。

 だが、中等教育学校を運営する学校法人の広報担当者は「合意どころか、学校法人として何かやりとりをしたような記録もない。そもそも、特定の学校との間に推薦枠を設けておらず、設ける予定もない」と否定する。この中等教育学校は、英国の名門校などをモデルに設立された私立中高一貫の男子校で、全寮制による次世代リーダーの育成を掲げる。難関大学に進学する生徒も多い。

 府教育庁私学課は「証明責任は学園側にある。学校法人同士による正式な合意文書を出すよう、学園側に求めていく」と話す。

 森友学園の籠池(かごいけ)泰典理事長は2月13日に小学校用地の国有地購入の経緯などを説明して以降、朝日新聞の取材に応じていない。代理人弁護士は3月2日、鴻池祥肇元防災担当相の会見に対する「反論」に応じて以降、取材に対応していない。(石原孝)
http://www.asahi.com/articles/ASK34554PK34PTIL00R.html

この「愛知県の中等教育学校」というのは「海陽中等教育学校」のことだろうか*2。というか、『毎日新聞』は「海陽中等教育学校」の名前を出している;

森友学園>「愛知に推薦枠」報告、私学側は否定

毎日新聞 3/5(日) 19:44配信


 大阪市の学校法人「森友学園」が大阪府豊中市で開校を予定している小学校の認可を巡り、学園側が2月に開かれた府私立学校審議会(私学審)で、愛知県内の私立中等教育学校への推薦枠があると報告していたことが、府などへの取材で分かった。私立学校を運営する学校法人は毎日新聞の取材に「事実無根」と否定しており、府は「虚偽や不適切な報告であれば問題だ」として学園側に事情を聴くとともに、報告内容を証明する文書の提出を求める方針だ。

 府などによると、森友学園は2月22日にあった私学審の臨時会で、入学希望者の確保策を列挙した資料を配布した。その中に、愛知県にある海陽中等教育学校から、推薦入学枠を提供してもらうことで合意しているという内容が記されていた。

 しかし、同学校を運営する学校法人「海陽学園」(同県蒲郡市)は5日の毎日新聞の取材に「特定の学校に推薦枠を提供することはない。森友学園と協議した記録も残っていない。なぜ名前が挙がったのか困惑している」と答えた。海陽中等教育学校は、全寮制を特色とする中高一貫の男子校で、高い進学実績がある。

 府私学課は、森友学園に対し、海陽学園との合意文書の提出を求めるなど調査を進める。

 森友学園は4月に「瑞穂の国記念小学院」を開校予定で、23日に開かれる私学審の意見を踏まえて府が今月下旬、認可するかを判断する見通し。私学審への報告では、開校時の定員80人(各学年)に対し、入学・転入予定は1年40人、2年5人の計45人にとどまり、私学審委員の多くが財務状況を懸念している。府は14日までに、最新の入学予定者数などを踏まえた収支計画書などを提出するよう学園に指示しており、松井一郎知事は期限内に提出がなければ「認可のスケジュールに間に合わない」としている。【津久井達】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170305-00000049-mai-soci