こつこつ?

産経新聞』の記事;


2016.12.13 21:44

なぜ手元に2千万円? 大阪・西成の簡易宿泊所で自殺男性の所持金の“謎”…身元も3カ月不明のまま

 大阪市西成区簡易宿泊所で今年9月、自殺したとみられる40歳ぐらいの男性の遺体が見つかり、所持金約2千万円が残されていたことが13日、大阪府警などへの取材で分かった。身元は特定はできていないが、男性は数年前から同じ簡宿で寝泊まりを続けていたといい、なぜ大金を持っていたのかは不明という。

 府警西成署や西成区によると、男性の遺体は9月18日、簡宿の個室で発見された。腐敗が進んでいたが、検視で自殺の可能性が高いと判断された。財布や小銭入れ以外に目立った所持品はなく身元は不明だが、室内から現金2095万円が見つかった。

 西成区内に多数ある簡宿は宿泊料が低額なため、日雇い労働者らが利用するケースが多い。同署幹部は「簡宿で死亡する身元不明者は多いが、これほどの大金を所持したケースは珍しい」と話す。同区は「行旅死亡人」として11月30日付の官報に公示。今後身元が判明すれば、大金は親族らに引き渡される可能性があるという。
http://www.sankei.com/west/news/161213/wst1612130078-n1.html

釜ヶ崎*1にせよ東京の山谷にせよ、日雇い労働者の人で、こつこつと貯金を積み重ねて、それなりの資産をもつようになったというのは偶には聞く話だ。でも、この人は、通帳とかじゃなくてキャッシュで持っていたわけですよね。この人がどんな経緯で釜ヶ崎に身を潜めることになったのか。何に行き詰って「自殺」したのか。その背景にはけっこう複雑な物語があるように思える。
数年前に、(遺憾ながら出典は忘れてしまったのだが)江戸時代の飢饉の際に100両ほどの小判を握りしめながら餓死した男の話を読んだことがある。飢饉は最初の段階では貧乏人を選択的に襲うが、究極的には貧者も金持ちも平等に襲う。小判は食べられない。釜ヶ崎の無名氏が直面した(筈の)トラブルというのは金では買えないものだったのだろうか。