- 作者: 青山温子,喜多悦子,原ひろ子
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 2001/10
- メディア: 単行本
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青山温子、原ひろ子、喜多悦子『開発と健康 ジェンダーの視点から』*1を読了。
上梓されてから既に15年経っているのだが、大枠としてはまだ妥当性はあるのだろうと思う。
まえがき
序章 健康・開発・ジェンダー――さまざまな課題
第1部 健康と開発
第1章 開発過程の健康問題
第2章 貧困が引き起こす不健康
第3章 経済成長のひずみによる健康問題
第4章 政治経済体制転換による健康への影響
第5章 自然災害と開発
第2部 健康とジェンダー
第6章 社会的・文化的要因と健康問題
第7章 リプロダクティブ・ヘルス
第8章 女性の教育・社会参加による健康への影響
第9章 文化・慣習と健康
第10章 紛争と難民
終章 私たちは何をなすべきか
参考資料
関連世界地図
索引
Column
1 愛育村と愛育班
2 三大公害病
3 敗戦国日本の保険医療システム改革
4 避難所の女性たち
5 経口避妊薬からみた日本のリプロダクティブ・ヘルス/ライツ
6 日本における少子高齢化と女性の社会参加支援
7 いまも息づく言い伝え
8 大陸から引き揚げてきた女性たち
ところで、「健康」とは「身体的・精神的・社会的に良好な状態(well-being)」であり(序章、p.1)であり、
人々が健康であることは、社会が健康であることの必要条件である。健康な社会とは、1人ひとりの人権が尊重され、公平かつ公正な社会である。自由で活力があり、理不尽な差別や格差がなく、貧困による苦しみのない社会である。そのような社会をつくろうとするのが、開発(development)という人間の営みである。開発の目的は、人々の幸福と社会の発展であり、言い換えれば、人々の健康と社会の健康を達成することなのである。健康と開発は相互に作用しあい関連しあうため、開発により健康が改善するばかりでなく、健康改善により開発が促進されることも広く知られている。また、人々の健康状態は、開発の度合いを示す指標ともなる。(p.2)
*1:Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160731/1469992599