高等女学校ではなかった

朝日新聞』の記事;


妖怪「高女」の石像、公園から盗難 水木さんデザイン

2016年8月9日22時43分

 和歌山県御坊市の日高港塩屋緑地にある公園「Sioトープ」で、漫画家の故・水木しげるさん*1がデザインした妖怪の石像のうち1体が盗まれていることがわかった。

 石像は、2009年に公園が開園した際、御坊市が水木さんに相談して、「ゲゲゲの鬼太郎」に出てくる和歌山の妖怪など10体を人工池の周囲に設置した。今回、怒ると身長を3倍に伸ばすことができるという「高女(たかおんな)」の像(高さ50センチ)が根元から切断されているのを2日に見回った市職員が発見した。

 市は御坊署に被害届を出し、現場を撮影した防犯カメラのデータも提出した。市商工振興課の担当者は「石像は老若男女に親しまれている。自主的に返してほしい」と話している。
http://www.asahi.com/articles/ASJ8946XZJ89PXLB00Q.html


盗難の妖怪「高女」石像、海底で発見 水木さんデザイン

2016年8月11日09時00分

 和歌山県御坊市の日高港塩屋緑地の公園「Sioトープ」から盗まれた、漫画家の故・水木しげるさんがデザインした妖怪「高女(たかおんな)」の石像(高さ50センチ)が10日、現場近くの港の海底で発見され、引き揚げられた。

 御坊署によると、防犯カメラのデータなど捜査の過程で付近に投棄された可能性があるとみて、この日午後2時すぎに公園の約100メートル西にある岸壁から、県警機動隊のダイバー3人が海中に飛び込んで捜索。約5分後に水深4・5メートルの海底で見つかった。引き揚げられた像は、右手部分が破損していた。
http://www.asahi.com/articles/ASJ8B5FSRJ8BPXLB00K.html

さて、この記事を読んでも、知識のない人には、「高女」というのが如何なる妖怪なのか珍粉漢粉であろう。
Wikipediaによれば、「たかおんな」のほかに「たかじょ」という念み方もある。また、初出は鳥山石燕画図百鬼夜行*2。そして、

画図では、女郎屋らしき建物のそばで女性が下半身を長く伸ばした姿が描かれているが、『画図百鬼夜行』には解説文が一切ないため、どのような妖怪を意図して描かれたものかは不明。江戸時代の吉原遊郭を風刺した創作との説もある。

民俗学者・藤沢衛彦の著書『妖怪画談全集 日本編 上』では和歌山県の「高女房」という話で、高女は妓樓(女郎屋)の2階を驚かすものと解説されている。また小説家・山田野理夫の著書『東北怪談の旅』では秋田県の怪談として「高女」と題し、やはり高女は家の2階を覗きこむもので、嫉妬深い醜い女が男に相手にされないあまり、遊女屋などの2階を覗いて歩くものとされている。こうしたことから同様に戦後の多くの妖怪関連の文献などでは、高女は男に相手にされなかった醜女が化けるもので、女郎屋などの2階を覗いて人を脅すものなどと述べられているが、これについて妖怪研究家・村上健司は、藤沢の説は石燕の絵から想像したことに過ぎず、山田による怪談は別の話に高女を当てはめたものと指摘している。