ペットを巡って幾つか

土曜日に、アニメ映画The Secret Life of Pets*1を(中国語吹き替え版で)観た。登場する動物たちが多すぎて、それぞれのキャラの個性が翳んでしまうということはあるのだけど、それでもまさに〈活動写真〉をやっているなという感じで、映画を観る原初的な快楽は裏切っていないと思った。
余計なことを2ついう。先ずはsocial topography*2について。ブルックリンとマンハッタンという対立。超高層ビルが聳えるマンハッタンと古びたアパートが建ち並ぶブルックリンという対立。クライマックスはこの2つの世界を結ぶブルックリン橋で起こるのだが、基本的にはマンハッタンはまるで遠くの山を見るように屋上から仰ぎ見る(川の向こうの)遥かな世界ということになっている。
動物版『トイ・ストーリー*3だねと思った。何れも、人間たちが気づかないところで、おもちゃ/ペットたちが独自の社会生活を送っている。また、おもちゃもペットも自分が人間の所有物だということは自明の事柄である。そして、或る種の共通の〈倫理学〉もあるようだ。
人間に手酷く捨てられたおもちゃ/ペットのトラウマはルサンティマンとして拗れ、そのおもちゃ/ペットを邪悪な存在にしてしまう。しかし、再びよき人間と出会うことによって、おもちゃ/ペットのそもそもの善良性は恢復されうる。

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さて、

Rebecca Smithers “Savage trade in underage and illegal puppies highlighted by UK charity” https://www.theguardian.com/world/2016/aug/04/savage-trade-in-underage-and-illegal-puppies-highlighted-by-charity


英国の動物愛護団体Dogs Trust*4によれば、年間数千頭の犬が英国に密輸されているのだという。産地は主にハンガリーポーランドリトアニアルーマニア、スロヴァキアといった東欧諸国であり、2012年にEUレヴェルでペットの移動規制が緩和されたことと関係しているという。なお、密輸された犬の1割は英国に入国してから3週間以内に死亡しているという。
今後は、英国のEU離脱*5の効果として犬の密輸は減るのでは?


日本の京都の話。『朝日新聞』の記事;


「犬のおっちゃん」、小4女児2人誘拐した疑い 京都

2016年8月7日20時01分

 小学4年の女児2人を車で連れ去ったとして、京都府警は7日、会社員の細川善史容疑者(41)=京都市伏見区久我石原町=を未成年者誘拐の疑いで逮捕し、発表した。2人は約2時間半後に解放され、けがはなかった。容疑を認め、「小学生の女の子が好きだった」と供述しているという。

 伏見署によると、細川容疑者は6月19日午前、京都市伏見区の公園で、いずれも10歳の女児2人に「犬と遊びたかったらうちにくる?」などと誘い、約8キロ離れた自宅まで車で連れ去った疑いがある。7月に近隣住民から通報があり、同署が捜査していた。

 現場周辺では、近隣住民が小型犬を連れて散歩する細川容疑者の姿をたびたび目撃しており、子どもたちからは「犬のおっちゃん」と呼ばれていたという。
http://www.asahi.com/articles/ASJ875453J87PLZB00J.html

最初、「犬」が小学生を誘拐したのかと思ったぜ。ペットをペドフィリアのダシに使っていたわけか。ただ、犯行現場は同じ区内とはいえ、既に近所ではなく、「犬のおっちゃん」という綽名も通用しないような場所だったわけだ。