「下流」に限らず?

ジョー・コックス議員へのテロ*1にまで行き着いてしまった英国のEU離脱問題(Brexit)については全然言及してこなかった。
さて、


広瀬隆*2「世の中の仕組みを知らない「下流」が英国のEU離脱を主張 離脱すれば英国における格差は拡大し、ロンドンの金融街シティはパナマ化する」http://blogos.com/article/180066/


その主張はほぼ、この長いタイトル通り;


マスコミやSNSでは「イギリスがEUから離脱しさえすれば英国民の雇用の安定が保たれ、高騰していた住宅問題が解消し、イギリスが国家の主権を取り返す……」というようなレベルの低い議論が展開されています。

イギリスがEUを離脱しても低所得者層の暮らし向きは良くならないし、失業率は悪化するでしょう。特に、離脱で一番痛い目に遭うのは低学歴の低所得者層です。住宅問題は解消せず、格差は、ワープスピードで拡大すると思われます。ロンドンの金融街シティは、タックスヘイヴンであるパナマ*3のように胡散臭い取引と、ずるい方法で蓄財した世界の大富豪たちの避難港になる恐れがあります。

かなり説得力がある話なのだが、問題は「下流」に止まってはいないのではないかとも思う。


“Mail on Sunday backs remain as major papers declare sides in EU referendum” http://www.theguardian.com/politics/2016/jun/19/mail-on-sunday-backs-remain-as-major-papers-declare-sides-in-eu-referendum


英国の主要な新聞の「国民投票」に対するスタンス。興味深いのは右派系の高級紙であるThe Times。平日版では「残留」を支持し、日曜版では「離脱」を支持している。
ルパート・マードックが所有する)The Sunが「離脱」を煽っていることを鑑みれば、「離脱」=「下流」という同一視も肯けるのだが*4