バッファーの有無

承前*1

徳重辰典「関係者、ファンは語る「冨田真由さんはアイドルでなくシンガーソングライター」」https://www.buzzfeed.com/tatsunoritokushige/tomitamayu


岩埼友宏に襲撃された冨田真由さんは「アイドル」と報道されたけれど、「アイドル」じゃなくて「シンガーソングライター」だろうという議論が事件当初よりあった。まあ、「アイドル」と「シンガーソングライター」が二律背反というか両立不可能だというわけではないと思うけれど。それを突き詰めるには「アイドル」の定義についての議論に踏み込む必要がどうしてもある。
さて、上の記事には、吉田豪氏の発言が引用されている;


以前、「女性シンガーソングライターのヲタはヤバい」って噂は聞いたことあったんですけど、その理由が「本人作の歌詞を自分のことだと思い込みやすいから」と聞いて、アイドルの場合は作詞家(つんく♂秋元康ほか)がそういう妄想を抱きがちな人の壁になっててくれてる面もあるんだなと思いました。

吉田光雄 (@WORLDJAPAN)

2つのレヴェルのことが詰め込まれている。歌にせよ小説にせよ、公共的に発信され・流通する、つまりpublishされる表現物の宛て先は不特定多数(極限的には全人類)なのに、それを私信であると受け取ってしまう人がいること。「シンガーソングライター」とは作家(作曲家、作詞家)とパフォーマー(歌い手)の一致ということであり、そのような私信妄想を誘発しやすい。なるほどとは思うのだが、それはかなるレアなケースだとは思う。