14.05

承前*1

朝日新聞』の記事;


小金井・女性刺傷、被告に懲役14年6カ月 地裁判決

根津弥、志村英司

2017年2月28日14時52分

 東京都小金井市で昨年5月、音楽活動をしていた冨田真由さん(21)がファンの男に刺され重傷を負った事件で、殺人未遂などの罪に問われた群馬県伊勢崎市の無職岩埼(いわざき、現姓・岩崎)友宏被告(28)の裁判員裁判の判決が28日、東京地裁立川支部であった。阿部浩巳裁判長は、懲役14年6カ月(求刑懲役17年)を言い渡した。

 起訴状などによると、岩埼被告は昨年5月21日午後5時5分ごろ、東京都小金井市本町6丁目のアーケード内で、冨田さんの首などを折り畳みナイフで少なくとも34カ所刺し、殺害しようとしたとされる。冨田さんは一時意識不明の状態になり、その後意識が回復。しかし、口など一部の神経がマヒし、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を負うなどの後遺症が残った。

 裁判で検察側は、事前にナイフを購入していることなどから「一定の計画性があり、強い殺意があった」と主張。「他に類を見ないほど悪質で、反社会的な犯行」として、同じような事件でのこれまでの量刑にとらわれるべきではないとした。また冨田さんの代理人弁護士は、無期懲役にするべきだと訴えていた。

 一方の弁護側は、犯行直後に被告が119番通報していることなどを挙げ、「衝動的な犯行で計画性はない」と反論。同じような刺傷事件での刑の重さを考慮すべきだと主張していた。

 裁判の中では冨田さんも出廷し、意見を陳述した。しかし、証言の途中で岩埼被告が「じゃあ殺せよ」などと繰り返し怒鳴り、阿部裁判長から退廷を命じられていた。(根津弥、志村英司)
http://www.asahi.com/articles/ASK2X3T78K2XUTIL01B.html

「現姓・岩崎」という表現。苗字が微妙に変わっていることは共同通信も注目している。

アイドル刺傷事件の岩埼被告が「岩崎」に戸籍変更
[2017年2月28日18時24分]

 東京都小金井市で、音楽活動をしていた大学生冨田真由さん(21)に付きまとい、刺したとして殺人未遂罪などに問われた無職岩崎友宏被告(28=群馬県伊勢崎市)に、東京地裁立川支部裁判員裁判は28日、「ファンの立場を超えて一方的に恋愛感情を抱き、逆恨みした」として、懲役14年6月(求刑は懲役17年)の判決を言い渡した。

 阿部浩巳裁判長は判決後、裁判員からのメッセージとして「被害者の夢を奪った重大さを自覚する必要がある。社会に戻っても長い人生がある。自分をコントロールし、社会で生活していく姿勢を身に付けてほしい」と被告に語り掛けた。

 判決理由では「被害者が抵抗できなくなっても執拗(しつよう)に刺し続けており、危険かつ悪質。死亡してもおかしくない容体だった。一定の計画性があり、殺意は非常に強固だった」と指摘した。

 23日の公判で冨田さんは「(被告は)今度こそ殺しに来ると思う」と意見陳述し、厳罰を求めていた。判決公判には姿を見せず、弁護士が内容を伝えると「17年でも短いと思っていたのに」と話し、後は言葉にならない様子だったという。

 被告は判決直前に意見陳述し「二度と冨田さんに近づかない、関わらないことを誓います」と述べた。一方で「殺意は認めません」とも強調。弁護士は閉廷後、「控訴するかどうかはコメントできない」と話した。

 判決によると、冨田さんからプレゼントを返送されるなどして怒りを募らせ、昨年5月21日午後5時5分ごろ、小金井市本町のライブハウスが入る建物で、出演予定だった冨田さんの首や胸をナイフで多数回刺し、殺害しようとした。

 地裁立川支部は「岩埼」としていた被告名の表記を「岩崎」に変更した。戸籍が変更になったとしている。(共同)
http://www.nikkansports.com/general/news/1785377.html

何時? 何の目的で? よくわからない。実は理由をひとつ思いついたのだが、それではトンデモ的すぎるだろうと自分でも思った。それはネット検索除けのためじゃないかということ。「岩埼」のままだと、何年経っても、友宏が出所する頃になっても、検索の譲位にこの事件のことが居座り続ける可能性が高い。それに対して、「岩崎」というありふれた苗字ならば、時間が経てば、この事件のことも、その他多数の「岩崎」さんのネタの中に埋もれてしまう可能性も高い。でも、そんな理由で「戸籍」に記載された苗字を変更できるのかどうか、わからない。
さて、判決後に冨田真由さんがコメントを発表している*2。それによると、以前所属していた「事務所」の不手際或いは怠慢が岩埼を挑発してしまった可能性が高いことになる;

私は、犯人からの返せという書き込み、脅迫めいた書き込み、返して貰うためにライブに行くということをほのめかす書き込みなどがくるようになったことに恐怖を感じ、早く返さなければいけないと思いました。

 以前から、事務所には、しつこいファンの男がいて、ブログやツイッターに怖い書き込みをしてきたり、ライブの後につきまとわれたりしていることも相談していましたが、特に何も対応してもらえていませんでした。

 自分から送り返したら反感を買うかもしれないと思い、平成28年の3月6日には、当時所属していた事務所に、犯人から渡された腕時計と本を持って行き、事務所の方から犯人に返して欲しいというお願いをして、全て預けていました。事務所の人は、「わかりました。返しておきますね」と言っていました。このとき、事務所の方から、犯人がライブに来ないように文章を作って欲しいというお願いもしていました。

 結局、事務所の方では、犯人に返して貰えず、事務所を辞めたときに、「預かっていた物」と言って、私に渡されました。

 既に返してもらえていると思っていた犯人からのプレゼントを渡されたときには、本当にビックリしました。あの時、「わかりました。返しておきますね」と言ってくれていたのに。もちろん、事務所からの文章も作ってもらえていませんでした。

 私は、早く返さなければいけないと思い、事務所から帰る途中、そのまま郵便局に行きました。どうして良いかわからなくて、急いで郵便局から送り返しましたが、そのとき、手が震えて字がうまく書けなかったことを覚えています。

 私がお願いしたあのときに、事務所の方から犯人に対して返却してもらえていれば、このような被害に遭わないですんだのかもしれないという思いはありましたが、犯人の供述を聞いて、その思いはさらに強くなりました。何回思い返しても、残念でなりません。