リア充になれば

承前*1

冨田真由さん襲撃事件の犯人の岩埼友宏だが、ずっと前から気になっていたのは「埼」という字。最初にこの苗字を見たとき、岩崎の間違いなんじゃないかと思った。どうしてやまへんの「崎」じゃなくて埼玉県の「埼」なのかと不思議に思ったのは俺くらいなのだろうか。
さて、裁判における岩埼友宏の「不規則発言」だが、それを伝えた『朝日新聞』の記事に対するブクマ・コメント*2を見ると、岩埼に対する一大批判大会になっているね。勿論、少数派ながら岩埼を擁護する意見もある。ここで岩埼を弁護する気も、またみんなと一緒に石を投げる気もない。でも、これで裁判員や裁判官の心証は決定的に悪化し、検察側の求刑通りの判決が出る可能性が強くなったのではないかと思う。ブクマ・コメントには、岩埼の更生の困難(不可能性)を指摘し、出所後の被害者への〈お礼参り〉を危惧するというのがけっこうあった。例えば植松聖*3のようなイデオロギー系の犯罪者の場合なら、イデオロギーから解放されさえすれば、意外とあっさり更生できるかも知れない。岩埼の更生が難しいのは、その動機がイデオロギーではなく極私的な妄想だからだろう。ところで、岩埼が〈リア充〉になれば、それは彼の更生を促進し、少なくとも再犯を抑制することにはなるだろう。凶悪犯の獄中結婚は自らの過去の罪の認識に資するという意見もある*4。そうでなくても、自分が愛され肯定されていると実感できる関係があれば、それを壊して再犯をする際の機会費用は高くなる。勿論現実にどのくらいの確率でこういうことが起こるのかなんて知らない。でも、獄中で暮らすだろう10数年間、待ち続けてみる価値はあると思う。