一人称

承前*1

「「首刺され、口の中に血の味」 小金井刺傷・陳述全文」http://www.asahi.com/articles/ASK2R4GBFK2RUTIL025.html


序に曰く、


東京都小金井市で昨年5月、音楽活動をしていた冨田真由さん(21)が刺されて重傷を負った事件の裁判員裁判で、冨田さんが23日に読み上げた意見陳述書の全文は以下の通り。途中で岩埼(いわざき)友宏被告(28)が不規則発言を繰り返し退廷を命じられた後は、検察官が代読した。
自らが被った禍々しい暴力の一人称的な回想。体験を想起して言語化することはどういう意味があるんだろうと思った。その出来事を脳内で再生して反芻することがきわめて苦痛な振る舞いであることは想像に難くない。しかし、そのようにして、体験を客体化(外部化)しない限り、禍々しい体験は、カオス或いは禍々しさそのものとして不定形なまま留まり続けるのだろうな、と思った。
「不規則発言」を巡って;

「じゃあ殺せ」被告、被害女性に怒鳴り退廷 小金井刺傷

2017年2月23日11時38分

 東京都小金井市で昨年5月、音楽活動をしていた冨田真由さん(21)の首などをナイフで刺したとして、殺人未遂などの罪に問われた群馬県伊勢崎市の無職岩埼(いわざき)友宏被告(28)の裁判員裁判が23日、東京地裁立川支部であった。冨田さんが出廷し、「被告はまた同じことをするので、絶対に野放しにしてはいけません」と述べたところで、岩埼被告が不規則発言を繰り返し、退廷を命じられた。

 検察側は「常軌を逸した身勝手な犯行だ」として、被告に懲役17年を求刑。冨田さんの代理人弁護士は、無期懲役にするべきだと訴えた。一方、被告の弁護側は「衝動的な犯行で計画性はない」と述べ、同じような刺傷事件での刑の重さを考慮すべきだと述べた。公判は結審し、判決は28日に言い渡される。

 冨田さんが証言する様子は、被告や傍聴席から見えないように、ついたてが設けられた。冨田さんは「絶対に許してはいけません。一方的に感情を抱いて、思い通りにならなければまた人を殺そうとする人です」と涙声で語った。

 岩埼被告は当初、無表情で聞いていたが、「野放しにしてはいけない」という冨田さんの発言に「じゃあ殺せよ」と怒鳴り、阿部浩巳裁判長が不規則発言をしないよう注意。だが、冨田さんが「また人を殺そうとする」と話したところで「殺すわけないだろう」と怒鳴ったため、開廷から約20分後に、退廷を命じられた。審理は一時中断し、再開後は検察官が被害者の思いを代読した。
http://www.asahi.com/articles/ASK2Q6J42K2QUTIL070.html