4800年前の母子像?

Reuters “Taiwan's oldest human fossil: mother and baby from 4,800 years ago” http://www.theguardian.com/world/2016/apr/27/taiwans-oldest-human-fossil-mother-and-baby-from-4800-years-ago
Fabian Hamacher and Rachel Bishop “Mystery of what killed mother found sheltering her baby 4,800 years later” http://www.mirror.co.uk/news/world-news/mystery-what-killed-mother-found-7839403


台湾の「国立自然科学博物館」*1の屈慧麗(Chu Whei-lee)さんを中心とするティームは2014年以来、台中地区の古代の埋葬場所の調査を続けている。これまでに、48人分の遺体が発見されている(うち子どもが5人)。4800年前のものと推定されており、これは今までに台湾で発見された「人間活動」の痕跡としては最古のものである。 その中でも、衝撃を与えているのは、赤ん坊を抱きかかえた女性の遺体。
ところで、南島語族(オーストロネシア語族)の言葉を話し、現在マレーシア、インドネシア、フィリピン或いはポリネシアに住んでいる人々の先祖はそもそも現在の台湾から中国南部にかけての地帯に住んでいたといわれている*2。4800年前というと、現在のインドネシア人やトンガ人の先祖(仮に「オーストロネシア人」としておく)が各地に拡散する以前のことだ。ディクソン『言語の興亡』に「 オーストロネシア語族」の拡散についての記述が見られるが(pp.116-118)、それによると、「オーストロネシア人」がフィージーやトンガに到達したのは3200年前、新西蘭に到達したのは800〜1000年前である(p.117)。

言語の興亡 (岩波新書)

言語の興亡 (岩波新書)