From Wakayama to Syria

朝日新聞』の記事;


「IS戦闘員になる」日本人を拘束 トルコ軍警察

イスタンブール=春日芳晃、乗京真知

2016年3月23日22時58分

 トルコ南部ガジアンテップで22日夕、過激派組織「イスラム国」(IS)に加わりにきたという日本人男性(24)が、軍警察に拘束された。トルコ紙ヒュリエット(電子版)など複数のトルコメディアが23日、報じた。治安当局によると、男性はトルコからシリアへ越境し、ISに戦闘員として加わるつもりだったと話しているという。

 ISに参加しようとして、日本国外の治安当局に拘束された日本人は今回が初めてとみられる。

 治安当局によると、この日本人男性は、ガジアンテップ中心部からシリア国境に接する県南部カルカムシュに向けて移動中、落ち着かない様子だったのに気づいた軍警察に見つかり、取り調べをうけた。

 調べに対し男性は「ISに参加するためトルコに来た」と認め、「ISの戦いの役に立ちたい」と話しているという。また、男性の携帯電話からは、フェイスブックを通じてISメンバーと連絡を取り合い、戦闘員になるよう誘われていたことも判明した。

 トルコメディアがホームページに掲載した写真では、眼鏡をかけた若い男性が武装した軍警察に囲まれ、道路にひざを付いて両手を上げていた。足元には男性の持ち物とみられる二つのバッグと携帯電話が置かれていた。

 トルコ政府は近くこの男性を「外国人・国際保護法」に基づいて国外退去処分にする見通し。

 日本人のIS参加をめぐっては、警視庁が2014年10月、北海道大の男子学生を私戦予備・陰謀の疑いで事情聴取した。学生はシリアの「戦闘員として加わろうとした」と認めた。(イスタンブール=春日芳晃、乗京真知)
http://www.asahi.com/articles/ASJ3R6V64J3RUHBI032.html


「IS志願」で拘束の日本人、和歌山の男性か

2016年3月24日15時47分


 過激派組織「イスラム国」(IS)に加わろうとしたとしてトルコ南部で軍警察に拘束された日本人は、和歌山県内に住民票がある成人男性の可能性があることが24日、捜査関係者への取材でわかった。県警は男性が国外退去などで帰国次第、刑法の私戦予備の疑いも視野に任意で事情を聴く方針。

 捜査関係者によると、警察庁から拘束された日本人の氏名などの連絡を受けた県警が調べたところ、男性の渡航前とみられる住民票が和歌山県内にあったという。県警は住所地に捜査員を派遣して、居住していたのかどうかや、渡航理由などについて確認を進める。

 日本人がISに参加しようとした事案としては、2014年に北海道大の男子学生がISの戦闘員になるためシリアに渡航しようとしたが、警視庁が私戦予備・陰謀の容疑で事情聴取した。
http://www.asahi.com/articles/ASJ3S3RRXJ3SPXLB00M.html


IS志願「ふざけて書いただけ」 拘束の邦人男性が帰国

2016年3月24日21時44分

 過激派組織「イスラム国」(IS)に加わろうとしたとしてトルコ南部で軍警察に拘束されていた日本人男性が24日夜、空路で関西空港に到着した。捜査関係者によると、トルコで国外退去処分になったという。男性は和歌山県内在住の23歳とみられ、県警は同日夜から渡航理由について任意で事情を聴いている。

 男性はイスタンブール発の旅客機で午後7時20分過ぎに関空に到着。「イスラム国に渡ろうとしたんですか」との報道陣の問いかけに「してない」と答えた。

 関係者によると、男性は同県内の高校を卒業後、大阪府内の電気工事会社に勤めるなどしていたという。男性の母親が報道陣に話したところによると、男性は現在は無職。14日に「海外に旅行に行く」と言って詳しい行き先は告げずに出かけたという。母親は「『どうして』という言葉しか出てこない。そんな大それたことをする子ではないと思っていたので、驚いている」と述べた。

 一方、トルコの複数の捜査関係者によると、男性は治安当局の調べに「IS戦闘員になるために来たのではない。旅行者です」と話したという。シリア国境近くの町にいたのは「観光目的」と説明。携帯電話でシリア人に「私も戦いに加わりたい」とメッセージを送ったことは「ふざけて書いただけ」と述べたという。
http://www.asahi.com/articles/ASJ3S6K16J3SPXLB01R.html

また、「【IS志願邦人拘束】男性が帰国 地元・和歌山では「信じられない」「過激なことをする子とは…」と衝撃」という『産経新聞』の記事から;

24日午後、同県白浜町にある男性の実家で産経新聞などの取材に応じた母親(49)は、動揺を隠せなかった。「息子ではないか」と感じたのは同日朝。テレビ画面に、息子と輪郭がよく似た男性が映し出されていた。

 母親が最後に男性と話したのは今月14日。電話で「1人で旅行に行ってくる」と告げたきり、連絡は途絶えたままになっていたという。

 母親は、「無口でおとなしい子。過激なことをする子ではないと思っていたので驚いている」と話した。「まだ外務省などから連絡はないが、危険な地域に入る前に拘束されてよかった。世間をお騒がせして申し訳ない」と涙ながらに語った。

 関係者によると、男性は4人きょうだいの長男。地元の小中学校を経て、同県田辺市内の工業高校へ進学した。同市内には祖父母が住んでおり、近隣住民によると、最近まで同居していたという。祖父とみられる男性は「今はいない。何も聞いていない。知らない」と短く答えた。

 近くの主婦(72)は「真面目そうな子で、(男性の祖父から)『就職で東京に行く』と聞いていた。過激なこととは無縁そうだったが…寝耳に水です」と信じられない様子。中学時代の男性を知る女性教諭も「当時はニコニコ笑うかわいらしい子。本当に本人なのか。(拘束されたことについて)何もないのでしょうか」と安否を気遣った。

 一方、中学時代の後輩という男性(22)は、「昔は地区の祭りなどで親しくしていたが、中学入学後は自宅に引きこもっていたイメージだった」と話した。
http://news.livedoor.com/article/detail/11333743/

和歌山県というのは戦前は(北米を中心とした)海外移民が盛んな土地であったのだが、それとこれが関係あるのかどうかは勿論わからない。また、ISISに本気で加入したかったのか、それともたんなるジョークだったのかどうかも、混乱している。これは言語の問題もあるのかも知れない。土耳古の警察官とのコミュニケーションは何語で行われたのか。土耳古の田舎警官が日本語に堪能だという可能性は低いので、やはり英語だろうか。それだったら、非ネイティヴ同士で、コミュニケーションがミスコミニュケーションに限りなく近くなるということは充分に考えられる。以前世間を騒がせたISIS志願の北海道大学生はシリアに行って「生きる意味」を見つけて人生をリセットするみたいな動機があったようだ*1。また、ISISに殺された(元熱湯浴の)湯川さん*2にも似たような動機があった筈。そうした実存の亀裂も含めて、何故シリアに向かったのかについては全然わかっていない。
言語的な問題について言及したのだが、「男性の携帯電話からは、フェイスブックを通じてISメンバーと連絡を取り合い、戦闘員になるよう誘われていたことも判明した」という。こういう勧誘のコミュニケーションって、日本語で行われているわけではないですよね。多分、英語か仏蘭西語かアラビア語か、或いはシリア語でしょう。そういうやりとりができる程には外国語ができたというわけだ。また、そういうネット環境に一定の時間生きていれば、ISIS色に染められてしまうというのもあり得ないことではない。


Ittousai「マイクロソフト機械学習AI「Tay」、ネットで差別と陰謀論に染まって一日で公開停止」http://japanese.engadget.com/2016/03/24/ai-tay/


人工知能(無能)もそうなのだから、自然知能(無能)については推して知るべし、ということになる。