Against Amazon

齋藤明聖「「Amazonのお坊さん便 僧侶手配サービス」について理事長談話」http://www.jbf.ne.jp/news/newsrelease/1600.html


全日本仏教会」の立場としてはこういうしかないのだと思う。


私ども公益財団法人 全日本仏教会は、宗教行為としてあるお布施を営利企業が定額表示することに一貫して反対してきました。お布施は、サービスの対価ではありません。同様に、「戒名」「法名」も商品ではないのです。

申し上げるまでもなく、お布施は、慈悲の心をもって他人に財施などを施すことで「六波羅蜜(ろくはらみつ)」といわれる修行の一つです。なぜ修行なのかというと、見返りを求めない、そういう心を持たないものだからであります。そこに自利利他円満の功徳が成就されるのです。

問題は、少なからぬ人々が「お布施」というか葬儀における仏僧の関与を、デュルケームが『宗教生活の原初形態』で謂う意味での「宗教」ではなく「呪術」であると見做しており*1、少なからぬ「お坊さん」もそれに賛同してしまっているということだろう。さらに、問題の背景として、(多分平成になって急速に進展した)町内会などの地域社会が仕切る葬式から葬儀屋などの企業が仕切る葬式へ、という変容があり、「お坊さん便」はそうした変容に対応したものだともいえる。
宗教生活の原初形態〈上〉 (岩波文庫)

宗教生活の原初形態〈上〉 (岩波文庫)

宗教生活の原初形態〈下〉 (岩波文庫)

宗教生活の原初形態〈下〉 (岩波文庫)

ところで、島田裕巳*2はこの件についてどんなコメントをしているのだろうか。