先日も「複数名の女性をとっかえひっかえしているような男性は、セックステクニックもお粗末です」という言説を読んだのだった*1。これは多くのあまりもてない男性にとってはよい報せなのではないだろうか。ということで、
勝部元気*2「なぜ、チャラ男と口説き上手はセックスが下手なのか?」http://joshi-spa.jp/176391
勝部さんって、ドッジボール批判をしていた人だ*3。
「自らヤリ捨てをする男性というのは一部であって、肉体関係にある男女関係について継続を望まなくなるのは、女性のほうに多いというのが実態だと思う」。「実際、多くの女性が男性に肉体関係の継続を断られたケースよりも、女性が自分から継続を打ち切ったケースのほうが多いのでは」? と述べられ、何故男性が「ヤリ捨てをする」というイメージが強いのかということが述べられる。そして、
このように、チャラ男や口説き上手のようなヤリチン男性は、自らどんどんヤリ捨てをするというよりもむしろ、どんどん関係を絶たれている男性である場合が多い。彼らをたとえるならば、「使い捨てカイロ男子」と言ったところでしょうか。簡単に買えるけれど、熱は長持ちしない。彼らは社会的地位が高いことも多く、本人たちは「ヤった女の数○○人」などと自慢しますが、客観的に見たらただ使い捨てされているむなしい存在です。彼らは、女性に関係を絶たれ続けたために、常に相手を補充しなくてはならず、結果的にチャラくなったり、口説きが上手くなった、とも言えるのです。離職率の高い業界が常に求人募集して、人集めだけは上手くなっていくのと構造は同じですね。
ところで、冒頭で「あまりもてない男性」という言葉を使ったのだが、これはルサンティマンに憑かれたアイデンティティ政治の賭け金として使われる「非モテ」*4とは原理的に関係ない。
また、多くの球技同様に、セックスも一人でするものではないのですから、やみくもに数だけこなしても何の意味もありません。コンビネーションを良くしてより高いパフォーマンスを実現するには、同じ相手と緊密なコミュニケーションを何度も重ねることが必要です。それができていない彼らはセックスが下手なのは当然と言えるでしょう。そしてセックスが下手なことがまた関係を絶たれる一因になることもあります。こうやって彼らは「使い捨てカイロループ」にハマっているのです。こうなると抜け出すことは難しくなります。多くの女性にとって、浅い関係しか構築できていない相手にセックスが下手なことを指摘しきゃいけない「コスト」は、指摘してその人との関係を続けことで得られる「リターン」を上回っているため、彼らに指摘せずに関係を静かに絶ちます。そのため、彼らが下手だと自覚する機会はなかなか無いのです。
勝部氏はさらに以下のように述べている;
この中には、年齢を重ねて経済力とか社会的地位とかが憑いて、相対的に容易く異性が引っかかるようになり、(昔と違って)俺はモテるようになったんだと思っている「非モテ」の例も多いのでは?
ちなみに、自分から女性を捨てるヤリ捨て男性の場合、そのような行動に走るのには、女性への復讐であるケースも多いです。ジェンダー論の世界では女性嫌悪のことを「ミソジニー」と言うのですが、実はヤリ捨てをする女好きな男性ほどミソジニー的な傾向にあります。彼らは「女好きの女嫌い」なのです。過去に女性に関係を絶たれたなどの経験を引きずっているからこそ、捨てられる前に捨てる。傷付ける前に傷付ける。弱き者だからこそ攻撃的な自己防衛策を取るのです。最低ですね。ヤリ捨ては男としての生物学的行動というよりむしろ、未熟さが原因の個人的な行動であると言えるでしょう。
*1:菊池美佳子「3つの行動でわかる!セックスが上手な男性を見分ける方法」http://www.lc-net.net/research/secret/se_275.html Cited in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150713/1436765292
*2:http://katsube-genki.com/ http://ameblo.jp/ktb-genki/ See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150608/1433777663
*3:http://ameblo.jp/ktb-genki/entry-12033727086.html
*4:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060312/1142190612 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060329/1143646604 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060331/1143821284 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20061029/1162091586 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070514/1179125368 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070704/1183550060 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080131/1201781124 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080405/1207424173 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080419/1208580191 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080706/1215290274 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080714/1216008269 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080810/1218388851 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080812/1218508991 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080816/1218888538 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080820/1219205407 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080821/1219335534 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090330/1238389918 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090621/1245530674 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090805/1249492266 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091123/1258972844 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100211/1265860665 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100213/1266069745 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100810/1281411210 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100816/1281930523 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100903/1283530333 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110727/1311790165 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110802/1312305275 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110821/1313861365 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20120709/1341846186 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130707/1373185561 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20140104/1388844590 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20141224/1419445817 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150216/1424016415 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150304/1425405508 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150319/1426741820 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150619/1434649851