最近各地の社寺でその建物などに「油」をかけられる事件が頻発している*1。その背景はよくわからず。まあ、一度事件が報道されることによって各地に模倣犯が誕生したということは大いに考えられる。
事件を巡って、或る種の〈文化的背景〉を想定している方がいる。奈良在住の寮美千子という方*2;
【東大寺の国宝・南大門に油か 大仏殿にも被害 】朝日 http://t.co/Wrzn2xR6ij 奈良県警は10日、奈良市の世界遺産・東大寺の南大門(国宝)や大仏殿(国宝)の須弥壇などで同様の被害が見つかったと発表 ←近いので確認しにいってみた
https://twitter.com/ryomichico/status/586462073212682240
東大寺、国宝・金剛力士像の阿形像の木製の柵についた液体の跡、「アロマオイルの香りがした」と報道があり、確かめにいった。嗅いでみると、匂袋にも似た白檀系の香り。宗教儀礼などに使う香油の一種ではないだろうか。@ryomichico pic.twitter.com/kgOysIrm4w
https://twitter.com/ryomichico/status/586464996302782464
インドでは、石像や石のリンガ・ヨニなどに、香油を掛けて祈る姿を見た。ヒンドゥー教では特に多かったように思う。違う風習を持った外国の人が、祈りの気持ちを込めて、日本の寺院に香油を撒いている可能性もある。視野に入れて対処すべきだろう @ryomichico
https://twitter.com/ryomichico/status/586470139438112768
「油」は「白檀系の香り」なのか。ただ、「香油」を飛行機で運んでくることは今かなり困難ではある。最近のヒステリカルともいえるテロ対策によって、機内に液体を持ち込むことが困難になっているのだ。持ち込めるのは免税店で買った酒や香水くらいなのでは? 米国系の航空会社だとそれも不可能だろう*3。
神社仏閣の油かけ事件の報道を見ていると、新聞記者や寺院関係者も含めて「悪意」としか考えていない。異なる文化の習慣で「香油をかけて祈る」という可能性をまったく考慮していない。それだけ、日本人が異文化に無頓着であることの証だろう @ryomichico
https://twitter.com/ryomichico/status/586473742278074369
油で思い出したのだが、中国では寺へのお供物として「油」がよく用いられる。但し、かけるのではなく、罐や壜ごとお供えされる。