Ghost Writings

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著者性*1を巡るあれこれ。


山内康一*2「お薦めの本「日本政治ひざ打ち問答」」http://yamauchi-koichi.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-be49.html
池田信夫*3小沢一郎氏の「西南戦争」」http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51796657.html


1993年に小沢一郎が上梓した『日本改造計画』を実際執筆した人、すなわちゴースト・ライターたちは、竹中平蔵伊藤元重御厨貴飯尾潤北岡伸一だったという話*4。まあ、小沢一郎に過激な新自由主義/新権威主義を期待した小池百合子のような初期「小沢信者」*5民主党に合流した小沢を見限って、小泉純一郎に乗り換えたというのはわかりやすい話。
さて、「著者」であることを知らなかった「著者」の話。
2012年12月の『東京スポーツ』の記事;


ニャンニャン事件」30年目の真実
2012年12月04日 11時30分


 先ごろ、特別ドラマ「積木くずし 最終章」(フジテレビ系)が放送されたが、その最初のドラマに出演し、人気女優となったのが高部知子(45)だ。約30年前に起きたスキャンダル「ニャンニャン事件」の渦に巻き込まれた高部が本紙の独占取材に応じ「セックスも喫煙の事実もなかった」と改めて当時を振り返った。


 1983年2〜3月に放送されたドラマ「積木くずし〜親と子の200日戦争」(TBS系)に主演し、最終回は45・3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という民放ドラマ史上最高視聴率を記録。その人気絶頂だった高部がとんでもない騒動に巻き込まれたのは同年6月だった。

 これが俗に「ニャンニャン事件」と呼ばれたスキャンダル。高部は「当時はまだ15歳だったし、何が起きたのか自分ではさっぱり分からなかった」と振り返る。

 写真が掲載されたことで「15歳で喫煙して男性経験も豊富」というイメージが付いてしまった。だが、事実は全く違うと言う。

「男性とは2〜3回会っただけ。大勢いた友達のうちの一人でした。たばこは『積木くずし』の役づくりで持っていただけで、当時も今も喫煙の習慣はないんです。当時も同じことを言ったはずだけど、誰も信じてくれなかった」

 事実とは違い「私生活も不良」とのイメージが独り歩きした。その原因の一つに、高部自身が積極的に否定せず沈黙したことがある。沈黙した理由は騒動の最中、写真を持ち込んだ男性が自殺したからだった。

「大事な息子さんを亡くしたご両親は悲しんでいる。その騒動の当事者の私が何か話したら、また傷つく。私が今までこの件について話さなかったのは、その一点のためだけです」

 さらにもう一つ「セックスと喫煙」というイメージを決定付けることになったのは一冊の本の存在がある。

 それは翌年発売された高部が著者の「告白 ハンパしちゃってごめん」だ。1年間の謹慎後、復帰に当たって出版されたこの本は、騒動についての記述もありベストセラーとなったが、高部は意外な事実を告白する。
http://www.tokyo-sports.co.jp/entame/60037/

「この本は『私がたばこを吸って男性とセックスした』と認めるような内容なんです。でもこの本、私は全く書いてないの(笑い)。当時はいろんな取材を山ほど受けたから、そこで話したことに尾ヒレが付いて出版されたんだと思います」

 自分が著者でありながら高部はこの本の存在を最近まで知らなかったという。5〜6年ほど前、ひょんなことがきっかけで同書の一部を読む機会があり、ページを開いたところ「あれ、こんなこと知らないぞ」となったのだ。

「それで1回全部読もうと思ったけど、どこにも売ってなかった。仕方がないのでインターネットの『アマゾン』で中古で買ったんです。自分が著者である本を自分で買った(笑い)。さすがに自分の名前を使うのは恥ずかしいから、娘の名前で買ったの」

 改めて読んでみた感想は「ホントのことは2割だな」だった。「あとの8割は『私、こんなこと言った?』と思うくらい、知らないことがいっぱい。この本でみんな、私がたばこを吸ってエッチしたと信じたんだと分かりました」。


ニャンニャン事件とは】高部が人気絶頂だった1983年6月、写真週刊誌「FOCUS」に高部が裸に布団をかけただけと思われる姿でベッドに横になり、たばこをくわえている写真が掲載された。同年放送されたドラマ「積木くずし」で不良少女役を演じていたため「ドラマも私生活も不良だった」と話題に。

 この写真を持ち込んだ18歳の男性が高部との交際をほのめかす発言をしたこともあり「まだ15歳の人気絶頂のアイドルが、男性とのエッチを終えた後に一服している」という解釈が定説になってしまった。このスキャンダルで高部は、出演していたテレビ番組やCMをすべて降板。同年9月に男性が自殺し、騒ぎは拡大した。

 萩本欽一のバラエティー番組から派生した女性タレント3人グループ「わらべ」に名を連ね、「めだかの兄妹」という曲の詞に「ニャンニャン」という言葉の繰り返しがあったことから「ニャンニャン」は事件の冠となり、流行語と化した。高部は欽ちゃんファミリーから外され、わらべからも脱退した。

☆たかべ・ともこ=1967年8月25日東京都生まれ。80年に女優デビュー。82年の「欽ちゃんのどこまでやるの!?」(テレビ朝日系)に出演し、のぞみ役でブレーク。83年の主演ドラマ「積木くずし〜親と子の200日戦争」(TBS系)が大きな話題となった。30歳を過ぎてから入学した慶応大学文学部を2007年に卒業。10年に国家資格・精神保健福祉士を取得した。
http://www.tokyo-sports.co.jp/entame/60037/2/

この『告白 ハンパしちゃってごめん』という本、買うことはなかったけれど、立ち読みしたことは勿論ある。「著者でありながら」「この本の存在を最近まで知らなかった」というのは凄いけれど、これって立派に犯罪を構成しているのではないだろうか。もう既に時効が成立しているのだろうけど。この本はそれなりに売れた筈だけど、印税は誰の懐に入ったのか<ワニ・ブックス そういえば、不正論文数世界チャンピオンの藤井善隆*6に絡んで、藤井論文の共著者でありながら論文の存在自体を知らなかった先生方も多かったわけだ。


本山文七「後藤健二氏と湯川遥菜氏の霊が呼び出された?「幸福の科学」の暴走が止まらない」http://tocana.jp/2015/02/post_5709_entry_2.html


幸福の科学、湯川・後藤両氏の「霊」を呼び出す。存命中の人間の場合、呼び出されるのは「守護霊」だけれど*7、今度は本人の「霊」。 これは〈霊的プライヴァシー〉の侵害ということになるのだろうか。

*1:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060306/1141675462 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070204/1170611496 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20050706 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070415/1176609189 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100420/1271785873 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20101106/1289051650

*2:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110716/1310815160

*3:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070128/1169989586 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090108/1231386781 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090223/1235362566 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090619/1245441165 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091126/1259201785 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091217/1261049929 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091218/1261105482 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100612/1276361557 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100621/1277100760 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20101120/1290272803 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20101230/1293715439 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110212/1297527735 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110214/1297700026 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110331/1301545326 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110525/1306294866 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110619/1308481084 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110626/1309107227 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110717/1310898599 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20120505/1336185843 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20120528/1338230225 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20120530/1338343629 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130423/1366683831 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130528/1369714773 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20131116/1384584256 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20131122/1385081575 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20140801/1406828086 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20140819/1408461044 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20140930/1412049585

*4:Via http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20150305/1425513534

*5:See eg. http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150213/1423756575

*6:See http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20141018/1413563946 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20141019/1413647417

*7:See eg. http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130818/1376754867 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20141029/1414579989