実名が出て

岸田法眼*1「『週刊新潮』誌2015年2月12日号を読んで」http://www.huffingtonpost.jp/hogan-kishida/shukan-shincho_b_6626508.html


週刊新潮』が、老女を殺した名古屋大学女子学生の「実名と顔写真を掲載」したことについて*2。この人がこのテクストの全体を通して何をいいたいのか、あまりよくわからなかった。『週刊新潮』のやったことに賛成なのか反対なのか。また、どういう理由で賛成または反対なのか、とか。
でも興味深い記述は含まれている。例えば、「未成年」報道の歴史的回顧とか。


私が少年法に疑問を持つきっかけとなったのは、横山やすしの息子、木村一八が事件を起こして逮捕されたことだ。木村はすでに芸能界デビューしていたが、報道機関では「少年」と氏名を伏せた。しかし、芸能レポーター横山やすしのもとへ駆けつけていたので、簡単にバレてしまった(当時はインターネットがない)。

2008年には大相撲の幕内力士、若ノ鵬(ロシア出身)が大麻所持で逮捕された。逮捕時の年齢は20歳だったが、事件を起こした年齢は19歳だったため、報道機関では四股名を伏せた。しかし、北の湖理事長が会見で臆することなく「若ノ鵬」を発したため、報道機関は一転して四股名や本名の公表に踏み切った。

日本相撲協会若ノ鵬の逮捕を受け、急きょ検査を実施したところ、北の湖部屋所属力士に疑いが浮上。本人は潔白を主張したが、解雇処分を受けた。これに伴い、師匠北の湖は1度理事長を辞している。

また、『週刊新潮』は容疑者の「小学校卒業時の文集」も引用しているらしいけど、岸田氏は「資料」の提供者に思いを馳せている;

事件記事と言うのは、同誌に限らず気分のいいものではない。私は資料の提供に協力した人たちは、どのような思いがあったのかが気になった。考えられるのは、「完全な決別」と「謝礼欲しさ」の2点。その人にとって「容疑者に裏切られたのか」「容疑者を裏切った」のかはわからない。ひとつだけ確信できるのは、"逮捕される前から記憶に残る容疑者"だと。
最後は違うと思う。「逮捕される前から記憶に残」っていたというよりも、今回の事件が起こって、或いは『週刊新潮』記者にインタヴューされて、忘却に任されていた記憶が活性化されてしまったということだろう。同級生畏るべし! と思ったのは、小保方晴子が高校の同級生に高校時代の素行についてべらべら喋られているのを読んだときだ*3
さて、

村田晃「「殺してみたかった」の背景にあるもの」http://jijico.mbp-japan.com/2015/02/07/articles15750.html


タイトルにつられて読んだ人の中には、裏切られたと思う人も少なくないのでは? あの名古屋大学の女子学生が人を殺した原因や理由なんて、まだわからないよということだから。