茂木に会田に村上など

承前*1

『弁護士ドットコム』の記事;


2014年12月07日 12時40分

ろくでなし子さん「接見禁止」つき勾留――弁護団は「準抗告」表明


女性器をモチーフにした作品で知られ、12月3日にわいせつ物公然陳列などの容疑で逮捕された芸術家「ろくでなし子」さんは、裁判官が「勾留決定」を出したため、引き続き身柄を拘束されていることが、弁護団への取材でわかった。

ろくでなし子さんは、作家の北原みのりさんが経営する東京都内の店舗に、女性器をかたどった作品を展示していたなどとして、わいせつ物公然陳列などの容疑で警視庁に逮捕された。

弁護団山口貴士弁護士は12月7日午前、「ろくでなし子さんは、接見禁止付で勾留されました。準抗告します」とツイート。裁判官の勾留決定が出たことを明かし、それに対して「準抗告」という不服申し立てをすることを表明している。

●「接見禁止」とは・・・?

「接見」とは、身柄拘束されている被疑者や被告人が外部の人と面会すること。被疑者は勾留されている間、原則として、家族らと接見できるが、「接見禁止」が付くと、弁護人以外と接見できなくなる。

ろくでなし子さんは今年7月にも、わいせつ電磁録記録頒布の容疑で逮捕されたが、その際には逮捕から7日目に、勾留決定に対する準抗告が認められ、釈放された。

なお、同じく12月3日にわいせつ物公然陳列の容疑で逮捕された北原みのりさんについては、検察の勾留請求が認められず、6日に釈放されている。

署名サイト「change.org」では、ろくでなし子さんの「即時釈放」を要求する署名活動が行われており、7日12時の段階で8300人超が賛同している。

(弁護士ドットコムニュース)
http://www.bengo4.com/topics/2394/

また、

2014年12月07日 09時18分
【速報】作家・北原みのりさん「釈放」――検察の「勾留請求」を裁判官が却下


わいせつ物公然陳列の疑いで逮捕されていた、女性向けアダルトグッズ店経営者で、作家の北原みのりさんが12月6日に釈放されたことが、弁護人への取材でわかった。

北原さんは、自らが経営する店舗に芸術家ろくでなし子さんの女性器をかたどった作品を展示していたとして、12月3日に警視庁に逮捕された。弁護人をつとめる村木一郎弁護士によると、北原さんは5日に身柄を検察庁に送られたが、検察官の「勾留請求」が翌6日、裁判官に却下された。検察は準抗告不服申立て)をおこなったが、東京地裁に棄却されたため、北原さんは釈放された。

●「不当逮捕」の指摘が出ていた

「勾留」は、逮捕に続いて被疑者の身柄を拘束する手続きで、「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」に加えて、証拠隠滅や逃亡のおそれなどがない限り、認められない。ただ、裁判官が勾留請求を却下することは珍しく、検察統計によると、2013年の勾留請求却下率は1.61%だった。

北原さんは、フェミニズムの視点からセックスやジェンダーについて発信する論客として知られ、著書も『アンアンのセックスできれいになれた?』『毒婦。木嶋佳苗100日裁判傍聴記』など多数ある。今回の逮捕をめぐっては、週刊金曜日アジア女性資料センターが抗議声明を出したほか、多数の識者らが「不当逮捕だ」とする声を上げていた。

(弁護士ドットコムニュース)
http://www.bengo4.com/topics/2392/

「「ろくでなし子」再逮捕は不当? ネット署名、抗議...アート関係者から異論続々」http://www.j-cast.com/2014/12/05222581.html?p=all


都築響一樋口ヒロユキ茂木健一郎*2会田誠*3村上隆*4の反応について;


アートやサブカルチャー界隈からも2人の逮捕には批判的なコメントが出ている。編集者・写真家の都築響一氏は自身のメルマガのフェイスブックページに「おふたりともすごく強い信念のひとなので、こんなことで凹んだりはしないだろう。もし逮捕すればなんとかなると思ってるのなら、警察はずいぶん女をナメている」と綴った。美術評論家樋口ヒロユキ氏も「しつっこいなあ、警察の人も。きらわれますよ」と呆れ気味だ。

現代アートに造詣が深い脳科学者の茂木健一郎氏も3日、ツイッターでこの問題に言及。その中で


「アートにおける批評性、表現の自由を肯定的にとらえる人にとって、今回のろくでなし子さんの逮捕は、警察の誤判断だと映るだろう。一方、警察は、必ずしも文化的な感性の高い人の認識を基準に動くのではない。あくまでも、一般の人々の感覚、認識をもとに、判断をして動く」
「その意味で、今回のような事態が起こった時に問題になるのは、果たして、日本の社会の中で、アートのもつ批評性、表現の自由についての理解、合意がどの程度形成されているか、ということだろう。今回の警察の行為が社会通念と明白にずれているという判断は、残念ながらできそうもない」


との見方を示した。

作品が「わいせつ」だとして物議を醸したことのある美術家らも反応している。

会田誠氏は3日、「北原みのりさんが逮捕されたニュースに『負けた...』と思う僕の捻れた感覚を告白しておきます」とのツイートを投稿した。会田氏といえば2013年の「犬」シリーズを巡る抗議問題が記憶に新しい。森美術館で開催した個展で、四肢を切断され首輪に繋がれた全裸の少女がほほ笑む「犬」シリーズを展示したところ、市民団体「ポルノ被害と性暴力を考える会」が森美術館に抗議したのだ。

精液を噴出する裸の青年のフィギュア作品「マイ・ロンサム・カウボーイ」などで知られる村上隆氏は、逮捕の是非の前に、この一件で「だったら村上氏の作品はどうなんだ」というようなばっちりを受けていることに困惑しているようだ。3日には「某氏の逮捕でまたもや村上ボコられてます」とツイートし、「某氏の表現と、ワシの表現のメッセージにはズレが有ります。ワシは日本人のエロに関して、語っており、某氏はジェンダー的な自由について語っておられると思うのです。向こうのほうが純粋な表現です」などと、五十嵐容疑者との作品表現における立場の違いを説明した。

See also
篠田博之「ろくでなし子さん再逮捕は幾ら何でもひどすぎる」http://bylines.news.yahoo.co.jp/shinodahiroyuki/20141205-00041254/