基本的に物知らずなもので、「江戸しぐさ」という言葉は時々ネット上で見かけることはあっても、「江戸しぐさ」というのがどんな所作なのかは全然知らないし、まあ関心もなかった。だけど、偶々「江戸しぐさ」を批判する2本の記事を読んだ;
永田正行「“偽物の歴史”を教育に用いるのは、倫理の根幹を破壊する行為〜「江戸しぐさの正体」著者・原田実氏インタビュー」http://blogos.com/article/96470/
赤木智弘*1「江戸しぐさって、本当にあったの?」http://blogos.com/article/63839/
特に前者で示されている、NPO法人「江戸しぐさ」*2による、明治政府が「江戸っ子」を「虐殺」したので「江戸しぐさ」についての文献資料は残っていないという主張には笑ってしまった。まあ、薩長が彰義隊を虐殺したことは事実であり、その怨霊を封じこめるために上野の山に西郷隆盛の銅像を建て、さらに生ける「江戸っ子」を恫喝するために大村益次郎の銅像を靖国神社に建てたということはあるのだろうけど*3、いくら何でも「江戸っ子」一般を「虐殺」することなんてできないだろう。芋侍どもにそんな暇があったとも思えない。
また、向山洋一*4が一枚噛んでいるようだということは注目される*5。
まあ、何故「江戸しぐさ」に今まで全く関心がなかったのかといえば、江戸っ子の末裔たる池波正太郎のような人が「江戸しぐさ」なんてものについて全然語っていなかったからだ。或いは、田中優子とか杉浦日出子といった人も。
「江戸っ子」について、昔読んだ基礎的な本として、西山松之助、竹内誠編『江戸三百年2 江戸っ子の生態』(1975)と南和男『江戸っ子の世界』(1980)をマークしておくが、(私の記憶之限りでは)これらの本に「江戸しぐさ」なるものは出てこなかった。
- 作者: 西山松之助,竹内誠
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1975/01
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- 作者: 南和男
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1980/08
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*1:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070202/1170441629 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070817/1187368784 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20071027/1193510497 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20071102/1193971451 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080612/1213243483 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080618/1213768852 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090724/1248462497 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091021/1256098110 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110401/1301647461 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110630/1309460207 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130226/1361847535 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130304/1362333068
*3:See eg. http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060829/1156854296 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090918/1253241518
*4:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070509/1178680441 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090610/1244633990 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090706/1246906032 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20120507/1336396198
*5:Eg. http://www.tos-land.net/teaching_plan/contents/10653 http://www.tos-land.net/teaching_plan/contents/1908