組織の問題、その他(メモ)

片瀬久美子
「ある大学で起きた研究不正についての実例」http://d.hatena.ne.jp/warbler/20131207/1386394597
「第36回日本分子生物学会 理事会企画フォーラム「研究公正性の確保のために今何をすべきか?」後記」http://d.hatena.ne.jp/warbler/20131209/1386556507
「「研究不正」をどう防ぐか<上>」http://d.hatena.ne.jp/warbler/20130905/1378403078
「「研究不正」をどう防ぐか<下>」http://d.hatena.ne.jp/warbler/20130905/1378403017
「「ある大学で起きた研究不正についての実例」の補足」http://d.hatena.ne.jp/warbler/20131218/1387373808


某大学であった「研究不正」(データの不当な操作等)の経緯について。不謹慎ではあるが、読み物としてはピカレスク・ロマンのシノプシスとして読むことも可能だ。善人は損をして悪人は図太く生き残る。
原則として個人事業者である文系の場合と異なって*1 、理系における「研究不正」は組織ぐるみであり、研究室という組織の存立に関わっている。また「不正」及びその方法は研究室の文化伝統として伝承される。さらに普遍主義と特殊主義。〈科学〉というコミュニティへの忠誠か、(研究室という)組織への忠誠かという問題。また、科学研究の新自由主義的な再編成、短期的に成果を出すことへのプレッシャーの増大が「研究不正」の増加の背景としてある。
なお、「不正」かどうかはともかく、科学研究の質の低下(例えば実験の再現可能性の低下)は日本だけの問題ではない;


“How science goes wrong” http://www.economist.com/news/leaders/21588069-scientific-research-has-changed-world-now-it-needs-change-itself-how-science-goes-wrong