印象派@上海博物館

金曜日、上海博物館*1で『従巴比松到印象派 克拉克藝術館蔵法国絵画精品展(Barbizon through Impressionism: Great French Paintings from the Sterling and Francine Clark Art Institute) 』*2を観た。米国の Sterling and Francine Clark Art Institute*3所蔵の19世紀仏蘭西絵画。今回、印象派*4の名品を久しぶりに、それも一挙に観ることができて、印象派の何が革命的だったのかを改めて実感した。印象派以前的なアカデミックな近代絵画を支配しているのが静謐な(死の)透明性だとすると、印象派を支配しているのは生動的な不透明性なのだ。普通、印象派というと、モネ、マネ、ルノワールドガという名前が先ず思い浮かぶだろうけど、今回の展示を観て、カミーユピサロ*5アルフレッド・シスレー*6の重要性を教えられたような気がする。また(印象派ではなくアカデミーの方だが)ジャン=レオン・ジェローム*7の「蛇使い」を観ることができた。これはエドワード・サイードの『オリエンタリズム』(Vintage版)のカヴァーに使われていたのだった。

Orientalism

Orientalism

Sterling Clarkは1908年から翌年にかけて中国の黄河中上流域(山西省陝西省甘粛省)の探検を行っているが、上海博物館では『従巴比松到印象派 克拉克藝術館蔵法国絵画精品展』と同時に、その探検の記録『斯特林・克拉克在中国:1908-1909』を開催している。
また博物館1階では、『安納托利亜文明展(Anatolian Civilizations)』*8。個人的には、オスマン帝国期の細密画がもっと観たかった。

展覧会のカタログ、上海博物館編『従巴比松到印象派 克拉克藝術館蔵法国絵画精品』(上海書画出版社、2013)を買う。