西川長夫

『毎日』の記事;


五月革命:熱、再び 西川長夫さん収集、資料をネット公開

毎日新聞 2013年11月21日 大阪夕刊

 10月28日に79歳で死去した西川長夫・立命館大名誉教授(比較文化論)が1968年のフランス留学中に集めた「五月革命」の資料群を、京都大人文科学研究所がインターネット(http://www.zinbun.kyoto-u.ac.jp/~archives-mai68/)で公開している。

 五月革命は、同年に、大学民主化運動などからフランス中へ波及した大衆運動。日本を含む世界の若者による社会運動、現代思想や芸術に影響を与えた。

 西川さんと妻祐子さんは、五月革命で運動団体の機関紙や雑誌、ビラ類を多数集め、写真も撮った。人文研は、2012年の関連シンポジウムがきっかけで、これら資料を寄贈された。機関紙だけで20種類以上。全ページ拡大して読める。日本語は解説だけだが、デザインや写真を見るだけでも、十分に熱気が伝わる。【鈴木英生】
http://mainichi.jp/feature/news/20131121ddf012040024000c.html

これを読んで、初めて10月末に亡くなられたということに気づいた。遅れましたが、ご冥福をお祈りします。
京都新聞』の記事を切り抜いておく;

西川長夫氏死去 立命大名誉教授、「植民地」研究



 「植民地」をキーワードに社会や文学の比較研究をリードした立命館大名誉教授の西川長夫(にしかわ・ながお)氏が10月28日午後5時52分、胆管がんのため京都市左京区の自宅で死去した。79歳。葬儀・告別式は近親者で済ませた。喪主は長男陸男(りくお)氏。

 1934年、日本統治下の朝鮮半島に生まれた。京都大で仏文学を専攻。京大人文科学研究所の共同研究に加わる一方、引き揚げ体験を基に搾取モデルとしての植民地に焦点を当て、文化、社会を鋭く批評した。スタンダール織田作之助など日仏の文学作品の関係性も論じた。74年から2007年まで立命館大教授を務めた。

 著書に「国境の越え方−比較文化論序説」「フランスの近代とボナパルティズム」「植民地主義の時代を生きて」など。

【 2013年11月01日 08時47分 】
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20131101000021

ミュージシャンである長男の西川陸男氏の追悼文は、


「父西川長夫の死に寄せて」http://www.rikuo.net/kimagure/diary.cgi?no=548


西川長夫という人は、私にとっては、先ずルイ・アルチュセールの翻訳者であった(例えば、『歴史・階級・人間』とか『マルクスのために』とか)。またいちばん最近読んだテクストはMulticultural Japan: Palaeolithic to Postmodern*1に収録された”Two Interpretation of Japanese Culture” ブルーノ・タウト坂口安吾を比較した論文。

マルクスのために (平凡社ライブラリー)

マルクスのために (平凡社ライブラリー)

Multicultural Japan (Contemporary Japanese Society)

Multicultural Japan (Contemporary Japanese Society)

See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091206/1260079892