山口先生

contractio氏経由で知る。


太郎丸博*1「求む! 日本社会学のオーラル・ヒストリー・プロジェクト」http://sociology.jugem.jp/?eid=570


この中に「先週、山口節郎先生が永眠された」という句が。おやまあ! また時事通信の記事;


山口節郎氏死去(大阪大名誉教授・社会学

 山口 節郎氏(やまぐち・せつお=大阪大名誉教授・社会学)26日午後3時30分、大阪府茨木市の病院で死去、71歳。葬儀は近親者で済ませた。喪主は妻淑子(よしこ)さん。(2011/11/29-20:18)
http://www.jiji.com/jc/c?g=obt_30&k=2011112900966

山口氏の仕事に最初に出会ったのは、たしか学部学生のとき、バーガー&ルックマンのThe Social Construction of Realityの翻訳。その頃は『日常世界の構成』というタイトルで出ていた。それから『社会と意味』。私の前後の世代では、山口氏にインスパイアされて、シュッツを、エスノメソドロジーを、或いはルーマンフランクフルト学派を読み、刺戟とともに違和感も感じて、山口氏を超えてやろうと思ったという人も少なくない筈。とにかくご冥福を祈る。
Social Construction Of Reality (Penguin Social Sciences)

Social Construction Of Reality (Penguin Social Sciences)

日常世界の構成―アイデンティティと社会の弁証法

日常世界の構成―アイデンティティと社会の弁証法

社会と意味―メタ社会学的アプローチ (1982年)

社会と意味―メタ社会学的アプローチ (1982年)

ところで、『社会と意味』の「あとがき」の

国立精神衛生研究所勤務中に先輩スタッフとして面倒をみていただいた坪上宏、佐竹洋人両先生にもお礼を申し上げたい。院生時代に出会うことになった例の出来事(これを〈東大闘争〉と呼ぶことには後ろめたさが伴う。といって、それは私にとっては紛争ではなかった)から受けたショックは、両先生のこの上なく温かで、すべてを包み込んでくれるようなお人柄にふれて、どれほど癒されたことか。人生のクリティカルな時期に両先生にめぐり会えたことは、私にとって最高の幸せであったと思っている。(p.276)
というパラグラフが前々から気にはなっていたのだった。