20世紀は1901年から始まり、1900年はまだ19世紀だった。同様に21世紀は2001年からで2000年はまだ20世紀だった。世紀(century)に関してはそうなのだけれど、decadeの方はどうだったんだっけ。1990年代は1990年から始まるのか、それとも1991年からなのか。そういったことをつらつら考えながら、妙ちきりん*1の
「2020年代を楽しみに生きていこう!」http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20110405
というエントリーを読む。まあ評価はCかなというのはともかくとして。
「安保反対運動」って、あの樺美智子さんが亡くなった〈60年安保〉のことだろうか*2。1960年は50年代なのか60年代なのかという問題。まあ1950年代というと、所謂〈55年体制〉の確立の方が重要だろうとは思うけれど。
1950年代 「西側選択の10年」朝鮮戦争が勃発。米ソ対立、冷戦構造が明確になる中、安保反対運動などを乗り越えて日本は「アメリカの子分になる!」と決め、それにより経済復興の足がかりをつかみます。警察予備隊ができ、いったん釈放された左分子の皆さんは再度、監視の対象になりました。日本が「進むべき道=資本主義陣営」を選択した10年でした。
また、
「よど号事件」は1970年。これは60年代なのか70年代なのか。〈60年安保〉を50年代に組み入れるなら、「よど号」だって60年代にしなければならないだろう。「ベトナム反戦運動も盛り上が」ったのは世界的にも、日本に限っても、70年代ではなく60年代後半。因みに70年代後半は、カンボディアのポル・ポト政権の大虐殺*3の発覚、ヴェトナムからの難民の流出、さらには中越戦争*4等と、ヴェトナム反戦世代はバックラッシュに直面せざるをえなくなったということがある。
1970年代 「先進国への10年」田中角栄氏が1972年に列島改造論をぶちあげますが、その直後オイルショックが起こり、日本は戦後初めてのマイナス経済成長を経験。社会的、政治的にも、よど号事件や浅間山荘事件、ダッカ事件などテロが頻発。ベトナム反戦運動も盛り上がり社会は混乱します。
一方、公害問題に対応するため環境庁ができたり、オイルショックでコンパクトな日本車がアメリカで売れ始めます。この10年を通じて日本は先進国になり、「一億総中流社会」を作り上げます。
あと、
「村山政権」は「非自民・非共産連立政権」ではないよ。
1990年代 「失われた10年」バブル崩壊後、ひたすらに経済停滞が続く10年。自民党が弱体化し、非自民・非共産連立政権(細川・羽田・村山政権)が成立しましたが長続きしませんでした。中国が世界の工場として頭角を現し、日本はデフレ時代に突入。生き残りに必死になった企業に振り回され、雇用環境は一気に劣化します。
ところで、〈60年安保〉については、日高六郎によるドキュメント『1960年5月19日』をマークしておこう。
- 作者: 日高六郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1960/10
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*1:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20081029/1225285895 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090213/1234543149 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090720/1248108412 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091028/1256753819 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100224/1267021071
*2:See http://showa.mainichi.jp/news/1960/06/post-0d71.html また、田島正樹氏の「樺美智子と山崎博昭」(http://blog.livedoor.jp/easter1916/archives/51865753.html)も。
*3:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100110/1263125320 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100728/1280280055
*4:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090225/1235542683 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100110/1263125320