譚盾新作

梁佳「応答李白、紀念馬勒」『東方早報』2010年6月22日


7月23、24、25日に上海大劇院にて、譚盾*1のコンサート『垚楽』が開かれる。これは『水楽』、『紙楽』に次ぐ「有機音楽」のシリーズ。「垚」とは陶器製の楽器。「垚」はyaoと念み、辞書的には「山の高いさま」を意味し*2、特に音楽に関連する意味はない。ただ、3つの「土」からなるこの字は、譚盾製作によるこの楽器が、香港の大嶼山、中国大陸の陝西、台湾の鶯歌という両岸三地の土からつくられていることと関係あるか。
曲目は、「英雄」、「垚楽:大地之声」及び「地図:譲失去的告訴未来」。このうち、「垚楽:大地之声」はグスタフ・マーラーへのオマージュで、その3つの楽章のタイトルはマーラーの『大地の歌』の(李白の詩から採った)「青春頌」、「悲歌行」、「春日酔」と同じである。演奏は上海愛楽楽団。「垚楽」のソロは張夢、王貝貝、楊茹文、栄辰初。また、チェロのソロは倪海葉。