「公選法の規定は、中央選挙管理会に届け出る政党の名称と略称について、代表者や比例名簿登載者の氏名が類推されるような表記は認めていない」ということは知らなかったが、考えてみれば当然ではある。それにしても、舛添要一*1の発想というのは凄い。「お年寄りにも分かりやすいと思い」って、さすが老人問題に詳しい元厚生労働大臣ということか。結局、桝添にとって、市民の政治参加というのは投票所で「ますぞえ」と鉛筆で書く腕の運動に還元されるわけだ。「ますぞえ新党」なんて、舛添要一のまきぞえを食ったというか、母屋を取られた改易もとい改革クラブの面々は承知したのか。
幻の“ますぞえ新党” 法抵触の恐れで略称白紙舛添要一前厚生労働相を代表として23日に旗揚げした「新党改革」が、参院選比例代表で使用する党の略称を「ますぞえ新党」とする方針をいったん固め記者団にも伝えたが、公選法に抵触する恐れがあることが判明し、白紙に戻す一幕があった。
略称は再検討されるが、「改革」に落ち着く可能性が高い。舛添氏の知名度の高さを集票に生かす狙いがあったとみられるが、出だしからつまずいた形で、急ごしらえの船出を印象付けた。
公選法の規定は、中央選挙管理会に届け出る政党の名称と略称について、代表者や比例名簿登載者の氏名が類推されるような表記は認めていない。総務省は「氏名そのものとも解釈できる。受理は難しいだろう」としている。
新党改革側は当初、公選法の規定を誤解していたようだ。同党幹部は「お年寄りにも分かりやすいと思い“ますぞえ新党”を検討した」と説明。「駄目なら『改革』しかない」と残念そうだった。
2010/04/23 22:42 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201004/CN2010042301000673.html
ところで、http://d.hatena.ne.jp/potato_gnocchi/20100423/p1で、舛添要一の今回の自民党離党(改易?)と約20年前の東京大学辞職を比較している。20年前の事件の背景として、西部邁、村上泰亮、公文俊平の辞職を招いた所謂〈中沢新一事件〉が挙げられているのだけれど、このアイディアに対してはちょっと?を付けておきたい。たしかに、桝添は中沢新一採用に賛成投票をしたと語っていたけれど、彼が辞職をしたのは騒動のピークがとっくに過ぎてからのこと。まあ実際のところ、何故辞めたのかはわからない(将来日本政治思想史で博士論文を書く人のためのテーマ?)。
舛添要一を形容するのに適切な言葉として、『朝生』政治家というのを思いつく。かつて筑紫哲也*2は政治家辻元清美については自分に製造者責任があると語っていたらしいけど、田原総一朗も〈舛添要一〉を製造してしまった責任について何かコメントするべきなのでは?
「新党」という名称にもうざいところがある。「新党」が流行るということが近代主義の延長線上のことであるというのはたしかなのだが、そういう高尚な話ではなく、中央選挙管理委員会でも公正取引委員会でもいいから、例えば「新党」の使用は結成1年以内に限るとか制限を課してもらいたい。1年過ぎたら、「新党」から〈中古党〉に改称しなければいけないとか。