真冬の恩寵など

承前*1

Midwinter Graces

Midwinter Graces

Tori Amos姐さんのクリスマス・アルバムMidwinter Gracesの封を開けて、聴いてみる。
Tori Amosのクリスマス・アルバム――これは先ず(牧師の娘である)Tori Amosと基督教文化との和解という意味で興味深い。
これまでずっと、Tori Amosの曲は、勿論それらが美しい良質な楽曲であるということはいうまでもないのだが、どこか重くて引っかかるものを感じて、〈聴きづらい〉なと思っていたのだ。以前も「トーリ・エイモス姐さんの歌はこちらの精神的なテンションが充分でないときに聴くのを躊躇わせるものがある」と書いたことがある*2。しかし、このアルバムでは、勿論歌われているのがオリジナルではなく聖歌だということはあるのだが、そのような重くて引っかかるものがなく、彼女の歌はひたすら美しく、力強いといっていい。
あれからもう20年。周知のように、1989年、彼女は突然某ファンに拉致され、ナイフを突きつけられてレイプされてしまうという事件に遭遇した。それ以降、彼女は曲を作り、ピアノを弾き、歌うことによって、その事件のトラウマと闘い、自らを癒してきたといってもいいのだった。
See

Tori Amos' Rape Survivor Story” http://www.healthyplace.com/abuse/escaping-hades/how-tori-amos-survived-rape/menu-id-818/
Tori Amos' Story of Rape & Healing” http://www.aswaterspassingby.org/toriamos.html
Tori Amos and the Question Of Rape” http://www.thedent.com/rape.html


また、Midwinter Gracesのレヴュー(『インディペンデント』);


Andy Gill “Album: Tori Amos, Midwinter Graces (Island)” http://www.independent.co.uk/arts-entertainment/music/reviews/album-tori-amos-midwinter-graces-island-1837836.html