東京から考える 格差・郊外・ナショナリズム (NHKブックス)
- 作者: 東浩紀,北田暁大
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2007/01/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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東浩紀、北田暁大『東京から考える』の中で北田氏が「恵比寿」について語っている部分をメモ;
恵比寿という街をどう捉えていいのかよく分かりません。僕には恵比寿も「郊外的」に見えてしまうんですよ。(後略)(p.126)
ここで言われていることは妥当なことだと思うけれど、気に食わないのは「ガーデンプレイス」=「恵比寿」という前提。私の感覚では「ガーデンプレイス」は恵比寿じゃない。「アメリカ橋って知ってますか」。恵比寿とはそもそも「駅の反対側、恵比寿から代官山、中目黒に抜ける商店街のほう」だろう。地名の起源ともなった神社もそっち側にあるのだから、歴史的にもそうなのだろう。
そもそも、大崎と同じく「工場の街」だった恵比寿に、唐突におしゃれな街を作ろうとしたわけですから、記号性が過剰になってしまうということがあると思うんです。むしろ、駅の反対側、恵比寿から代官山、中目黒に抜ける商店街のほうが、落ち着いていると言える。
あと、恵比寿駅とガーデンプレイスの「あいだ」には、長いスカイウォークがあるでしょう。あれがミソだと思うんです。あの「あいだ」にある、かつての恵比寿と現在の恵比寿とを媒介する地域を目にすることなく、お客さんが駅ビルとガーデンプレイスをショートサーキットできてしまう。ディズニーランドが浦安という街の土着性を視覚的に排除している、というのと似たような話です。(p.130)
ところで、「ガーデンプレイス」の裏は、高速道路や白金の自然教育園によって遮れていて、ほかの街へと抜けていくことができない。これも非恵比寿的な要素だと思う。何故か知らないが、恵比寿駅で電車を降りて帰りもまた同じ恵比寿駅で電車に乗るということは殆どない。渋谷や代官山や中目黒や目黒に歩いていくか、そっちの方から歩いて恵比寿に辿り着くかだ。
See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060607/1149645970 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070602/1180723693