A. O. SCOTT “The Spirit of ’68” http://www.nytimes.com/2008/04/27/movies/27scot.html
を読んでいて、1968年の所謂巴里〈五月革命〉の発端が同年2月のアンドレ・マルローによるシネマテーク館長アンリ・ラングロワ*1の解任とそれに対する映画ファンたちの抗議行動であったということに思いを致す。さらに、これはフランソワ・トリュフォーやジャン=リュック・ゴダールなどによるカンヌ映画祭粉砕闘争へと発展することになる。勿論、ここら辺の事情はベルナルド・ベルトルッチの『ドリーマーズ』にも出てくるわけだが。ということで、上の記事によると、〈五月革命〉40周年ということで、紐育では「60年代のゴダール」が再上映されるという。さらに、68年世代のその後を描いたアラン・タネール監督の『ジョナスは2000年に25歳になる』も。1968年は米国にとって、年頭におけるヴェトナムの「テト攻勢」に始まって、マーティン・ルーサー・キングが殺され(4月)、ロバート・ F・ケネディが殺された(6月)年。また、この年はオリンピックの年であったが、オリンピック直前の墨西哥では警官隊による学生虐殺が起こっている。勿論、チェコ・スロヴァキアへの蘇聯の侵略と〈プラハの春〉圧殺の年でもある。
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Richard Williams “Songs of the young ones” http://commentisfree.guardian.co.uk/richard_williams/2008/04/songs_of_the_young_ones.html
は〈音楽的68年〉を採り上げている。ローリング・ストーンズの”Street Fighting Man”*2、ビートルズの”Revolution”、ルイ・アームストロングの”What a Wonderful World”*3を初めとして、様々なミュージシャンや楽曲が言及されているのだが、Richard Williams氏によれば、
ということであるようだ。さらに、Williams氏は「68年5月の多幸症」を表現するものとして、スライ&ザ・ファミリー・ストーンの”Dance to the Music”を挙げている。
The truly revolutionary music, in sound as well as spirit, was coming from jazz's new wave - from the likes of Archie Shepp, who likened his saxophone to a Viet Cong machine gun, and his patron John Coltrane. This was the sound of black consciousness, made by people who really had something to revolt about. It was, inevitably, too demanding for many, even those who wanted to like it. John Lennon tried listening to Coltrane's Ascension, a ferociously 40-minute free improvisation, but gave up before the end of side one.
果たして、日本における〈音楽的68年〉は?
*1:そういえば、以前明治学院大学の「アンリ・ラングロワ集団」というサークルについて言及した(http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070427/1177654470)。
*2:See 浅見和彦「ミック・ジャガー、ジョン・レノンと第四インタナショナル」http://www.jrcl.net/web/frame0384i.html also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060430/1146387154
*3:これは1968年5月の英国シングル・チャートで3週連続1位であった。