高齢者と自動車

深町秋生氏曰く、


話はそれるが車の国内販売台数は減っていても、田舎町はより車に依存しなければならないような仕組みになっている。私の町などはほとんど「歩くな」と宣言しているようなものである。歩道は雪で埋まってしまうし、道幅は極端に狭くなる。巨大ショッピングセンターが3つもできたが、その周辺には信号もなく、市の中心から遠く離れた街道沿いに出来ており、スピードが出る場所でもあるので事故がたえない。高齢者が占める人口の割合は急激に増えており、60〜80歳の高齢者ドライバーがたくさん存在している。正直なところ、飲酒運転が可愛く思えるような恐ろしい通り魔のような危険ドライバーがけっこういる。


本当は高齢者が運転をしなくても済むような街づくりをすべきなのだが、行政は破綻寸前なのでくだらないスローガンをべたべた貼りまくるぐらいしか対策はなく、さらに街自体は車に依存しなければならない方向へと爆走している。富山のように路面電車を活用するなど、車からの脱却を目指す街が高齢者にとっていい街だと思う。ちなみに安寧な田舎暮らしをしたいというのなら私の住んでいる街には間違っても来るべきではない。私の祖母も交通事故で死んだ。ひいたのは自分でまともに歩くこともできない80歳くらいのじい様だったらしい。本当の田舎暮らしというのは獰猛な鮫がうろつき回っている海の中で生活するようなもので、自然とたわむれることもできるが、文明の利器で殺される可能性もまた高いのである。
http://d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI/20080118

これは深町氏が暮らす山形県南陽市の話。「ひいたのは自分でまともに歩くこともできない80歳くらいのじい様だったらしい」ということだが、こういう場合、加害者に痴呆があったりした場合は刑事責任は問えないんですよね。ところで、これは「田舎」に限った話ではないだろう。所謂郊外というのはそうなのだろう。例えば、「国道16号線*1も。これは多分日本の不動産市場の活性化にかなり貢献しているとは思うのだが、年寄りが郊外の一戸建ての家を売り払って都心のマンションを買おうとするのは十分に理解できる。老後を「安寧な田舎暮らし」ではなく、安寧な都会暮らしが小金持の年寄りのトレンドなんじゃないだろうか。尤もせっかく家まで売って移り住んだ街場が空洞化してしまって、買い物も遊びも郊外に行かなきゃなんないということだと、元も子もないが。

See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20061228/1167319165 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070329/1175189030

また、「泉麻人のエッセイで、千葉まで走る地下鉄東西線原木中山(ばらきなかやま)という駅を取り上げ、いつも通るたびにバラキ中山といういかつい日系ボクサーの姿を想像してしまうという話があっておかしかった」*2。私は東西線原木中山を通過するとき、いつもチャールズ・ブロンソン主演の映画を思い出してしまうのだ。

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