櫻井徳太郎

http://d.hatena.ne.jp/t-kawase/20070903/p2にて知る。
『毎日』の記事;


訃報:櫻井徳太郎さん 90歳 死去=駒沢大名誉教授・元学長、民俗学専攻


 櫻井徳太郎さん 90歳(さくらい・とくたろう=駒沢大名誉教授・元学長、民俗学専攻)8月27日、悪性リンパ腫のため死去。故人の遺志で葬儀は行わず、香典などは辞退する。

 民俗学者柳田国男に師事。民間信仰の実地調査を進め、日本のシャーマニズム研究の先駆けとなった。柳田監修の「民俗学辞典」で執筆者・協力者の一人として51年度毎日出版文化賞を受賞。62年、第1回柳田国男賞、81年に紫綬褒章。元日本民俗学会会長。著書に「日本民間信仰論」、「沖縄のシャマニズム」など。

毎日新聞 2007年9月3日 東京朝刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/fu/news/20070903ddm041060185000c.html

桜井先生に直接お目にかかったのは一度だけ。たしか、宗教社会学研究会の酒席だったと思う。桜井先生の主要な業績である「シャーマニズム」論については殆ど知らず。最初に興味深く読んだのは『駒澤大学宗教学論集』に掲載された、後のケ→ケガレ→ハレ循環論の原型ともいえるテクストで、〈聖俗論〉の空間性を捨象して時間性に還元していいのかなどと感じた。その後、興味深かいと思ったのは、日本的文脈における民衆の自発的組織化を論じた『結衆の原点』。
結衆の原点―共同体の崩壊と再生

結衆の原点―共同体の崩壊と再生

これが出たのは、祝祭と叛乱をテーマにしたアナール学派等の業績が日本に紹介され始めたのと相前後していたのではないかと思う。