川内康範その他

やはり外国にいると日本事情には疎くなるもので、http://harie.txt-nifty.com/annex/2007/02/post_0f6c.htmlで「川内康範」という名前が出てきたときも、いったい何のことだ!? と思った。こういうことだったのか。
サンケイスポーツ』の記事;


森進一の名曲「おふくろさん」作詞家・川内氏、怒りの“絶縁宣言”

2月21日8時0分配信 サンケイスポーツ
 歌手、森進一(59)の代表曲「おふくろさん」の詞に、オリジナルにはないせりふが足されているとして、作詞家の川内康範氏(86)が20日、都内で怒りの会見を開き「おれの歌はもう歌わせない」と“絶縁宣言”した。森も同日、緊急会見し「突然でびっくりした。もう30年も歌っており、先生も知っていると思った」と困惑しきり。突如勃発したせりふ騒動。一体何が原因なのか?

 騒動の火種となった「おふくろさん」。問題となっているのは同曲のイントロ前に「いつも心配かけてばかり…」というせりふが入ったバージョンだ。

 同曲は昭和46年に作詞・川内氏、作曲・故猪俣公章氏でリリース。所属レコード会社などによると、付け足されたせりふは故保富康午さん、メロディーは猪俣さんがつくった。古くは昭和52年3月発売のライブLPにも収録され、一昨年、昨年のNHK紅白歌合戦でも歌われている。

 川内氏は、オリジナルの詞にはないこのせりふの付け足しが無許可の改変にあたると問題視。会見で「ありえない。作家同士なら盗作といえる」と怒りをぶちまけた。

 森サイドに事情説明を求め、17日に直接会う予定だったが、森が体調不良を理由に一方的にキャンセルしたという。川内氏は「おれの志と違うものは歌わせない」と自身が作詞した「命あたえて」「語りかけ」など森の楽曲約30曲の“使用禁止”を宣言。法的措置も辞さないとの強硬姿勢を示した。

 一方、森は東京都渋谷区のNHKで緊急会見。「突然のことでビックリ。歌わせない、といわれても…」と困惑気味に語った。

 「30年近く歌っており(川内)先生も知っていると思った」と釈明。「10年ほど前に『(自分が)アメリカで入院しているのを知っているか。歌わせないぞ』との手紙が来た。そのときはせりふの話はなかった」と、著作権の問題よりも感情的な対立であることを示唆した。

 森はこの日の同局「歌謡コンサート」(後8・0)で川内氏作詞の「花と蝶」を歌う予定だったが、「先生がNHKに抗議したので遠慮した」と「女のためいき」などに変更した。

 「大切な歌ですから。先生が一言、『いいよ』と言ってくれたら」という森だが、当面、自ら釈明に訪れる予定はないといい、円満解決には時間がかかりそうだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070221-00000033-sanspo-ent

また、『報知』の記事;

川内氏バッサリ 森の訪問は「三文芝居」

 歌手・森進一(59)と作詞家・川内康範氏(87)の「おふくろさん」をめぐるトラブルで、川内氏が1日までに現在の心境を書面につづった。森が先月末に青森・八戸市の川内氏の自宅を謝罪訪問したことなどを「三文芝居」と一刀両断。ようかんなど森の手土産を返送したことを明かし、「これが私の返事」と改めて絶縁を宣言した。また、歌手の吉幾三(54)が森に代わる歌い手に“立候補”した。

 謝罪のための森の青森参りが、逆に川内氏の怒りの火に油を注いでしまった。

 都内ホテルに滞在中の川内氏はこの日午前、ホテルを出たが、報道陣の問いかけは無視。午後4時過ぎに戻ったが、不機嫌そのものでつえを振り回し、質問を「うるさい」と一喝した。だが、この日までに文書で心境をコメント。森に対する怒りをぶちまけた。

 森は2月27日、青森・八戸市の川内氏の自宅に、“アポなし”で謝罪のため訪問。しかし川内氏は偶然のすれ違いで、同日午前、森が到着する前に仕事のため上京。それを知らない森は市内のホテルに1泊し、翌28日朝も再訪問したが、当然、川内氏は不在。手土産の花束や「とらや」の高級ようかん(1本約5000円)を玄関前に置き、やむなく帰京した。自宅訪問する姿を、複数のテレビ局が放送した。

 アポなしでの訪問と、結果的にマスコミが「同行」したことが、川内氏には森のパフォーマンスに映ったようだ。一連の森の行動を「三文芝居」とメッタ斬り。手土産をすべて宅配便で森の事務所に返送し「これが私の返事です」と完全拒否の姿勢を改めて明言した。森はこの日は午後3時ごろに出かけたものの、ホテルには現れなかった。

 川内氏の関係者は「(川内)先生いわく、森さんはほかにも楽曲がたくさんおありでしょうから支障はないのでは」としており、森と会う意思も「全くない」と強調。もはや当人同士だけでは修復不可能な状況だ。

 ◆コメント全文 告ぐ!! 吾が真実、無償の愛は何があっても変りなし!! 拙宅は「無断進入禁止」の札をかかげおるにもかかわらず進入し、何やらみやげ物を置いて行った品物の一切は本日、森事ム所に宅便にて返送しました。これが私の返事です。それでもまだ森進一の三文芝居の片棒をかつぐ一部マスコミとの面談は拒絶します。このホテルに宿泊している方の安息まで邪魔しないことを望みます。「惜、無上道」川内康範

(2007年3月2日06時02分 スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20070302-OHT1T00091.htm

「おふくろさん」という曲、「あなたの、あなたの真実」と盛り上がる箇所の「真実」という言葉がどうも気に入らなかったのだが、それはともかくとして、川内康範って、『レインボーマン』の主題歌(「インドの山奥で修行して」という奴ですか)とか『まんが日本昔ばなし』の主題歌(「坊や、いい子だ、ねんねしな」?)も作詞していたのですね。川内康範ということで、1970年代の前半に、この人が一方で警視庁機動隊の歌を作詞していながら、他方で稲川会の歌を作詞しているのはどうよという新聞記事を読んだことを思い出した。
Mixiの日記で、社会学者でブラック・ミュージックにも造詣が深いNN氏が書いていたのだが、ブラック・ミュージックやロックではあまりこういうことは考えられない。というか、作家とパフォーマーの関係に関して、パフォーマーは作家の身体の延長として作家の意図を正確に再現しなければならないという規範的な要請が強く生きているということにおいて、歌謡曲(特に演歌)とクラシックというのは共通している*1
例えば、矢野顕子『Home Girl Journey』にもし自分の作品が入っていたとしたら、川内先生どうなってしまうことやら。