承前*1
上海美術館のマン・レイ展、正確にいうと『曼・雷輿大師men(Man Ray & Other Master photographers)』は素晴らしかった。一言で言うと、一挙に〈写真〉の歴史を概観してしまった。Nadarから始まって、Etienne-Jules Marey、Eugene Atget、Man Ray、Bill Brandt、Gyula Halasz Brassai、Robert Capa、Robert Frank、Garry Winogrand、Richard Avedon、さらにはRobert Mapplethorpeまで*2
あと、梁衛洲の写真展「景物志(The Scenery)」。梁氏は1962年上海生まれで、油絵画家。また、「荒原的記憶――館蔵北大荒版画陳列展」。黒龍江省の蘇聯国境近くの開拓地「北大荒」をテーマにした版画。1960年代前半から1990年代後半まで。1980年代以降の作品になると、いかにも長閑な田園風景を描きましたという感じになっていくのが面白い。
上海美術館では、美術評論家のAlessandro Riva氏のキューレーションによる『意大利(Italiana)』も催されている。現代伊太利美術のショウ・ケースということなのだろうが、正直言って、展示されている作品を観ても、スタイルの斬新さとかは感じなかった。ただ、Livio Scarpella、Aron Demetz、Giuseppe Bergomi、Paolo Schmidlinの立体作品が展示されているのだが、これらは私の好み。特に、Aron Demetz*3の作品は舟越桂を彷彿させる静謐さを漂わす。