『肢体的延伸』/『我要呼吸』など

進賢路に新しくできたギャラリー「聚画空間」*1へ行く。
2つの展示が同時に行われている。何成瑶*2の『肢体的延伸(The Extension of Limbs)』と李心沫+張敏捷の『我要呼吸(I Want to Breathe)』。
『肢体的延伸(The Extension of Limbs)』は主にパフォーマンスを中心に活動してきた何成瑶の「身体档案(Body File)」と題するアクリル画のシリーズと2006年10月に英国のマンチェスターで行われた「頭髪的可能性(The Possibility of hair)」というオーディエンスの面前で髪の毛を切るパフォーマンスのヴィデオ。「身体档案」は屈曲したポーズの女性ヌード(自画像?)のシリーズで、エゴン・シーレを彷彿させたりもするのだが、身体というよりも運動する/運動を封じられた肉を前にして、ただ立ち尽くすほかない。
『我要呼吸』は廣西壮族自治区の「南郷鎮」の金鉱で塵肺に罹った鉱山労働者の記録映画を中心に、鉱山周囲(既に金を掘り尽くして廃墟になっている)の写真、実物の金鉱石、残滓によって汚染された水のサンプルなどを同時に展示する、ひとつのインスタレーションになっている。この展示で突出しているのは音、延々と続く塵肺の労働者の咳の音。李心沫は天津美術学院の研究生(大学院生)、張敏捷は学部学生。
進賢路には最近「〓*3藝術画廊(Stir Art Gallery)」*4というギャラリーもオープンしている。ニュージーランドの写真家Nicola Broekhuysen*5の『都市躯殻(Urban Crust)』は上海の建物の壁を接写した一連のシリーズ。そこに映し出されているのは、ペンキの剥落とか苔なのだが、一瞥すると、それが写真だとは気がつかない。どう見ても抽象画だ。表面だけ見ているというのはありがちな非難の台詞だが、実は日常的には表面など注視していない。
Stir Art Galleryに入ろうとすると、吼える犬に迎えられ、その犬にギャラリーを案内されることになるので、犬が苦手な方は注意されたい。