上野千鶴子 on 安倍晋三

上野千鶴子氏へのE-mailによるインタヴュー*1から;


 安倍晋三氏は、幹事長に就任する前まで自民党が2005年につくった「過激な性教育・ジェンダフリー教育実態調査プロジェクトチーム」の座長を勤めた人物。その事務局長を勤めた山谷えり子氏が、男女共同参画および少子化担当大臣の猪口邦子氏と対極的な見解をもちながら同担当政務官に就任したのは安倍氏の推薦と言われている。男女共同参画行政を後退させる保守勢力がリーダーとかつぐきわめて危険な人物。拉致問題でのタカ派姿勢といい、靖国参拝といい、外交問題が争点となっているが、そればかりでなく国家主義と家族主義を強化する日本版ネオコンの領袖であり、最悪の選択だと思う。
また、

 小泉政権ネオリベナショナリズムの奇妙な結託だったが、少なくともネオリベ的合理主義があった。安倍政権がネオコンナショナリズムの同伴なら東アジアにとって危険。国際的にもリーダーシップを失うばかりか、「国益」をも損ねる。ネオリベのもとで息を潜めていた旧保守勢力が復活し、格差社会の不満を吸収するネオ・ナショナリズムと合体すると、日本の進路は危うい。

上野氏のいう


 小泉    ネオリベ
 安倍    ネオコン


という図式の当否については未だ判断を保留したい。しかし、安倍(及びその取り巻き)の言動にコミュニタリアン的なツイストというかレトリックがブレンドされていることはたしかである。
因みに、小泉/安倍の差異について、〈政敵〉である保坂展人氏は、


小泉総理は戦後の横須賀で育った。プレスリーの家でハシャいだのも、アメリカナイズされた生育体験がゆえなのだろう。みっともないが、そういう人だ。だから、自民党の右よりの人たちが執心する教育基本法改正などには淡泊で、過去回帰的な復古主義とは一線を画していた。

靖国問題では意地になり、批判があるから参拝するという天の邪鬼ぶりを発揮してきたが、国家主義よりは個人主義に傾いた言動が目立つ。ナショナリズムを鼓吹する意図は主観的にはないのだろう。

ところが、次期総裁への道を走る安倍官房長官は違う。戦前の日本に憧憬があり、過去回帰の情動を秘めていると私は感じている。当面、小泉政治を引き継ぐにしても、ナショナリズムを煽り、「敵」を語調激しく批判して強硬策で人気上昇を狙う危なげな部分を持っている。小泉政治がさほど熱心でなかった教育基本法憲法改正にも「自民党結党以来の悲願」を自らの使命として積極的に動くだろう。
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/6a6247da3eb6e87df2298c2738873dbf

と述べている。
ネオリベといえば、政権が変わると、竹中平蔵の居場所はどうなっちゃうの?