復興西路にMadame Mao’s Dowry(毛太設計)という店がある。Linda Johnsonなる英国人の開きし店なり。中国アンティークと(これもやはりアンティークなのだが)文革期のグッズを扱う*1。その中でも、目立っているのは(内蒙古から持ってきたという*2文革時代の鏡である。鏡は鏡なのだが、『毛主席語録』の引用が書かれていたり、『智取威虎山』のような革命現代京劇のワン・シーンの絵が描かれていたりする。ところで、この鏡はどのような社会的機能を持っていたのだろうか。勿論、鏡というのは毎日顔を洗ったり歯を磨いたりする時に使うものだ。それは商品として流通していたものなのか。日本でも、ラーメン屋とか旅館に行くと、スポンサーの社名の入った鏡を見ることができるが、それと同じように、ある種のギフトとして機能していたのか。識者のご教示を俟ちたい。

 加藤徹氏の「京劇漫談「私と京劇」」*3を偶々読んだ。その中で曰く、「金属的な打楽器とハイテンションの弦楽器の伴奏にあわせユニ・セクシャルなボーカルが歌う、という点で、京劇音楽は、本質的に一種の「ハード・ロック」なのである」。ふむ。加藤氏に胡弓を教えた「駒場寮(こまばりょう)の「ぬし」」T氏はその後どうされたのか。

 陽が落ちて、まだまだ散発的ではあるが、爆竹が破裂し始めている。ロケット弾もといロケット花火も飛び交っている。

*1:英文版の『毛主席語録』が250元。これって、相場的にどうなのだろうか。

*2:that’s Shanghai January 2006, p.89.

*3:http://home.hiroshima-u.ac.jp/cato/KGMD.html