CSFと社会科学基礎論研究会、ディレンマ

http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070518/1179463556で触れたように、月曜朝のJALに乗って、午後1時頃には成田に着いた。日本には6月2日頃までいる。
さて、実は今頭を抱えている。今週の土曜日、つまり5月26日、大正大学で「社会科学基礎論研究会」があり*1、同時に武蔵大学でCSFの「グローバル化時代のワールド・ミュージックとメディア」という九谷さん企画のシンポジウムがある。基礎研の方を私がシカトするということは許されないだろうし、CSFの方はテーマもさることながら、6月の上海での国際会議との関連でも是非顔を出しておきたい。いやはやどうすべきか。昼と夜という仕方で対処するしかないか。
早稲田大学が「はしか」のために休講措置が取られたということらしいが、大正大学武蔵大学とも今のところ安全なようである。

「一般意志」の主観的転換?

http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070414/1176533605に関係あるか。


 宮台真司「国家操縦の『憲法意思』大事」http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/consti/news/200705/CK2007050802014481.html


曰く、


憲法は、国家への国民の意思を書いた「覚書」です。戦後日本に、この憲法でいいという「憲法感情」はあっても、国家をどう操縦するかという「憲法意思」が乏しい。だから何が書かれていても空文化してしまう。

 意思なき国民が大半になれば、憲法は紙切れ同然。大事なのは、憲法に何が書かれているかではなく、国民が何を意思するのか。ルソー(仏の哲学者)のいう一般意思だから、日本人の大半がそう思っている、と日本人全員が思えなければなりません。

 それには、国民の八割が投票して八割が賛成するといった圧倒的意思が、示される必要があります。低投票率でも憲法改正ができる与党の国民投票法案では、国民意思の集約にならない。どうも憲法というものを分かっていないようです。

前々から、ルソーのいう「一般意志」というのは具体的にどのような事態を指すのかよくわからなかった。無論、「一般意志」というのは全体意志とは違う。個人的な意志を足し算していって、全員一致に達したとしても、「一般意志」には届かない。今引用した箇所では、「一般意志」の成立という事態を、「国民」「全員」がその「大半がそう思っている」と思い込むことに転換しているように見えるけれど、如何か。

『現代社会学理論研究』

月曜日、家に帰ったら、『現代社会学理論研究』の創刊号が届いていた。
目次は、


片桐 雅隆 創刊の辞
【特別講演】
ブライアン・S・ターナー
訳:速水奈名子・油井清光 社会学理論の新たなアジェンダ
馮 鋼
訳:朱安新・西原和久 中国における社会理論の危機
【論文】
後藤 実
世界社会の論理――グローバリゼーションと脱領土化をめぐって
畠山 洋輔
社会学的機能分析の機能――Luhmann機能分析による経験的研究の可能性
飯島 祐介
ハーバーマス社会理論における公共圏論の位置――システム的連関と市民的な社会領域との和解をめぐって
安部 彰
社会的連帯・再考――他者の存在の〈保障〉と〈承認〉をめぐる/のための試論
鵜飼 大介
「普遍」の変容――反・普遍言語論を手がかりに
田中 秀生
ルソーにおける「最初の約束」の成立様式について
藤本 龍児
アメリカにおける個人主義ニューエイジ運動――現代宗教の問題と課題
郭 基煥
在日の物語と異邦人同士の交流――『断食芸人』から

西原 和久 SST誌とGSR
――『現代社会理論研究』から『現代社会学理論研究』へ
(その他)

特に後半の4本の論文が面白そう。
ところで、「GSR」から「SST」だが、「社会理論」が「社会学理論」になるのは密かに反対していたのだ。

Information on FOOD AND FOODWAYS IN ASIA


Sidney Cheung氏(香港中文大学)からのEastasian Anthropologist MLへのメッセージ;


Dear All,
I am writing to get your attentions on our new volume on Asian Foodways which is just out from Routledge.

FOOD AND FOODWAYS IN ASIA: RESOURCE, TRADITION AND COOKING. Edited by Sidney C.H. CHEUNG and TAN Chee-Beng, published by Routledge in 2007.

Contents
Introduction: Food and Foodways in Asia. Sidney C.H. Cheung and Tan Chee-Beng

Ecology, Resources and Food Production
1. Fermented Marine Food Products in Vietnam: Ecological basis and production. Kenneth Ruddle
2. Namako and Iriko: Historical overview on holothurian (sea cucumber) exploitation, utilization and trade in Japan. Akamine Jun
3. Fish in the Marsh: A case study of freshwater fish farming in Hong Kong. Sidney C.H. Cheung

Tradition and Food Production
4. Poonchoi: The production and popularity of a rural festive cuisine in urban and modern Hong Kong. Chan Kwok-shing
5. Convenient-Involvement Foods in South China. Maria Siumi Tam
6. Edible Mercy: Charity food production and fundraising activities in Hong Kong. Serizawa Satohiro
7. Estimating Rice in South Korea: Agriculture, global trade, and national culture. Michael Reinschmidt

Restaurants and Food Production
8. A Taste of the Past: Historically-themed restaurants and social memory in Singapore. Wong Hong-Suen
9. Indigenous Food and Foodways: Mapping the production of Ainu food in Tokyo. Mark K. Watson
10. Restaurant Kitchens in Hong Kong: Authenticity and professionalism. Luke Fung

Asian Cooking and World Cuisine
11. In Search of a Macanese Cookbook. Alexander Mamak
12. Nyonya Cuisine: Chinese, non-Chinese, and the making of a famous cuisine in Southeast Asia. Tan Chee-Beng
13. From Malacca to Adelaide… : Fragments towards a biography of cooking, yearning and laksa. Jean Duruz
14. Asia' s Contributions to World Cuisine: a beginning inquiry. Sidney W. Mintz

Sidney

買った本など

月曜の午前中、用事のために下北沢に行く。その後、昨年行ったときと同様に*1、但し今度は夫婦で、楽しく迷子になる。 先ずDORAMA


 Fine Young Cannibals The Raw and the Cooked*2

ザ・ロウ&ザ・クックド

ザ・ロウ&ザ・クックド

を買う。某カフェで昼食を摂ったが、窓の隙間から突然雀が1羽店の中に飛び込んできて、みんなが唖然としている間に店の入り口から飛び去っていった。一瞬の出来事。入らなかったのだが、世田谷区役所出張所の近くにKate Coffeeというカフェがあった。オーナーはケイト・ブッシュのファン?
夕方千葉県に帰ってきて、本を6冊買う。半年いない間に、注目すべき、また読むべき本は沢山出たようだが、今日買ったのはそのような、異国にて注目していた本ではない;


 三崎亜記『となり町戦争』集英社文庫、2006

となり町戦争 (集英社文庫)

となり町戦争 (集英社文庫)

 大江健三郎『二百年の子供』中公文庫、2006
二百年の子供 (中公文庫)

二百年の子供 (中公文庫)

 福永武彦『草の花』新潮文庫、1956
草の花 (新潮文庫)

草の花 (新潮文庫)

 中野美代子乾隆帝 その政治の図像学』文春新書、2007
乾隆帝―その政治の図像学 (文春新書)

乾隆帝―その政治の図像学 (文春新書)

 田村理『国家は僕らをまもらない』朝日新書、2007
国家は僕らをまもらない―愛と自由の憲法論 (朝日新書 39)

国家は僕らをまもらない―愛と自由の憲法論 (朝日新書 39)

 梅森直之編『ベネディクト・アンダーソン グローバリゼーションを語る』光文社新書、2007
ベネディクト・アンダーソン グローバリゼーションを語る (光文社新書)

ベネディクト・アンダーソン グローバリゼーションを語る (光文社新書)


また、『ぴあ』が売っていなかったので、『東京ウォーカー』を買ったけれど、美術関係の情報が全然出ていない。?!?

*1:Cf. http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060607/1149648346

*2:このタイトルって、レヴィ=ストロース先生の著書とは関係ないか。