Illusionary fish

Via https://nessko.hatenadiary.jp/entry/2022/11/14/105351

『読売新聞』の記事;

「生きて泳ぐ姿は珍しい」生態は謎の深海魚、カムチャッカゲンゲを国内初展示
11/12(土) 14:09配信




読売新聞オンライン

 福島県いわき市の水族館「アクアマリンふくしま*1で、寒冷な海に生息する深海魚「カムチャッカゲンゲ」が展示されている*2。生きたままの姿を見られるのは珍しく、展示は国内初という。

 同館によると、カムチャッカゲンゲは北西太平洋の固有種で、カムチャツカ半島や千島列島、北海道~茨城県沖の水深70~1950メートルに分布している。

 全身が分厚いゼラチン質で覆われており、底引き網で深海から引き揚げると、柔らかい体表が傷ついてしまうため、生きた姿を目にすることは珍しいという。そのため、エビなどを餌にすることは分かっていたが、泳ぎ方や餌の食べ方などの生態は謎に包まれていた。

 展示している個体は体長約60センチで、9月に北海道羅臼沖500~800メートルの深海エビ籠漁の籠に入り込んでいるのを漁業者が採集した。飼育員の男性(48)は「生きて泳ぐ姿を見ることはまずない魚。目が丸くてかわいい顔をしているので、表情にも注目してほしい」と話している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/843c5cba0b8f115981a0d5d01d505d443fe7ea09

「ゲンゲ科」は61の属、約300種を擁するかなり大きな科なのだった*3。それにしても、「ゲンゲ」とはどういう意味なのだろうか? 「ゲンゲ」+「漢字」で検索してみると、「幻魚」というのが出てくる*4。「ゲン」というのは「幻」だったのか! じゃあ、後の方の「ゲ」は「魚」に対応するのか? まあ、嫌われて打ち捨てられる「下の下(げのげ)」と呼ばれていたという。「下の下(げのげ)」というのは富山県での呼ばれ方のようだけど、他の地域ではどう呼ばれていたのか? 下の下→ゲンゲだすると、方言の呼称が、種や属だけでなく、より一般的な科の標準和名にのし上がるなんて、かなりの大出世なんじゃないか?

*1:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/10/12/002622

*2:https://www.aquamarine.or.jp/animals/silveryeelpout/

*3:https://en.wikipedia.org/wiki/Eelpout

*4:Eg. SAKURA「富山湾に棲む深海魚「ゲンゲ」って漢字でどう書く?【とやまクイズ】」https://toyama-asbb.com/archives/53122 Also 富山県農林水産部市場戦略推進課「富山の食材 ゲンゲ」https://shoku-toyama.jp/product/10324/