「絵が語るようなもの」

わたしのワンピース

わたしのワンピース

大沢瑞季「子どもたちが選んでくれた」『毎日新聞』2019年12月25日


昨年末の記事。絵本『わたしのワンピース』の作者、西巻茅子さんへのインタヴュー。昨年は『わたしのワンピース』が初めて上梓されてから50周年だった。


私にとって3作目の絵本で、どこにもないオリジナルのものにしたいと、気合を入れて作りました。レオ・レオニ*1の「あおいろくんときいろちゃん」のように、絵が語るようなものにしたかったんです。スケッチブックにいたずら描きをしているうちに、子どものころ描いた三角形のワンピースを思い出しました。切り抜いて着せ替え遊びをしたように、ワンピースの模様が次々に変われば面白いと思いつき、ぱあっと一気にできました。
でも、出版社からは「花畑を散歩すると、なぜワンピースが花模様になるか分からない」「花畑を転げ回るなど説明するためのページが必要だ」と指摘されました。私は強く反対し、押し通しました。その時、「大人には分からないんだ」と思ったの。当時は、絵は文章の添え物としか見られていなかった。出版後も反応がなく、「誰も認めてくれないんだ」と落ち込みました。
Little Blue and Little Yellow

Little Blue and Little Yellow

  • 作者:Leo Lionni
  • 出版社/メーカー: HarperCollins
  • 発売日: 1995/09/01
  • メディア: ペーパーバック