燃やしたのは誰か

承前*1

fujipon*2「「ブロガー」という業の深い人間のひとりとして、hagexさんの事件に感じていること」http://fujipon.hatenablog.com/entry/2018/06/25/171634


まあ、


世の中には現実に居場所がなくて、ネットが重要な生存圏である人が少なからずいるし、ネットでの炎上というのは、燃やされる立場になってみると、ものすごく追い詰められた気持ちになることがある。
近所の噂話や人間関係のトラブルであれば、物理的に離れることで落ち着く可能性もある。
でも、ネットでのトラブルというのは、現代であれば、世界中どこにでもついてくる。自分のポケットのスマートフォンが、ずっと燃え続けているのだから。
ネットリンチじゃないよ、個々の人たちの自由意志で、それぞれの意見を述べているだけで、相談してやっているわけじゃない」
 それは、あなたにとっては、そうなのだと思うよ。でも、やられる側としては、軍隊蟻の群れに襲われながら「一匹一匹ちゃんと向き合え」と言われているようなものなのです。
というのはたしかにその通りなのだけど、この前に、

hagexさんが自覚してやっていたかどうかはわかりませんが(僕は「ある程度意識してやっていた」と思っています)、hagexさんが採りあげ、綿密な情報網で証拠を挙げて告発することにより、多くの人たちが、ネットで炎上することになりました。


僕は「自業自得」だとは思わない。どんな理由であっても、発した言葉が理由で命を奪われてはならない。
ただ、「たかがネットでバカにされたくらいで」とか「hagexさんが投下するのは、きれいな燃料」みたいな言葉を無防備に掲げている人たちをみると、価値観の断絶を感じるのです。

という塊があって、これと一緒に読むと、凄い違和感を覚えてしまうのだ。これだと、Hagexが「低能先生」を追い詰めた結果、「低能先生」はあの凶行に及んだということになってしまうではないか。まあ、仮に「はあちゅう」とかイケダハヤトといった人がぶち切れてHagexを刺したということならともかく、今回の場合、放火しまくっていたのは「低能先生」の方でしょ。「低能先生に対するはてなの対応が迅速でビックリ」というエントリー*3にしても、被害者に消防署への通報の仕方を提示しただけだ。「低能先生」が「燃やされる立場」になったということはあるの? 話はずれるのだけど、「低能先生」に対する「集団損害賠償請求」を提起したエントリーが出て*4、それによって「低能先生」が追い詰められたということになっているけれど、これは『余命三年』に煽られて「懲戒請求」を送り付けてきた熱湯浴に対する佐々木亮弁護士らの対抗措置*5にインスパイアされたもので、まあ正当な自衛措置といえるだろう。これはfujipon氏というよりは、

今回の痛ましい事件の教訓は、「異常な行動を取っているように思える見知らぬ人物の凶行に気をつけろ」ということではない。そうではなく、「凶行に及ぶようなところまで相手を追い詰めないこと」が大切なのではないかと思う。
と説く本田雅一*6に対する異論なのだけど。