「法的措置」と「心身衰弱」

承前*1

『スポーツ報知』の記事;


レスリング部への誹謗中傷に至学館大が法的措置検討…伊調パワハラ問題で
2018年3月10日5時30分 スポーツ報知



 レスリング女子の伊調馨(ALSOK)が日本協会の栄和人強化本部長からパワーハラスメントを受けたとする告発状が内閣府に出された問題で、栄氏が監督を務める至学館大谷岡郁子学長は9日、大学のホームページで会員制交流サイト(SNS)などを通じ「レスリング部の選手達にいわれのない誹謗(ひぼう)中傷が寄せられています」と明らかにし、悪質な嫌がらせや誹謗中傷には大学として法的措置を検討するとの声明を出した。

 また、ホームページでは「私の知る栄監督とは、語気が荒いことがあっても、選手想いでパワーハラスメントなど考えられない人物でもありますし、至学館レスリング関係者やそれ以外の人々に陰湿な働きを行うことはないと信じています」とも示し、告発内容に反論した。
http://www.hochi.co.jp/sports/etc/20180310-OHT1T50036.html

何方も戦術を誤っているような感じがする。「誹謗中傷」する人も本気で栄和人氏を追い詰めたいと考えるなら、敵地に味方を作ることを目指すのが肝心だろう。つまり、私もハラスメントを受けたというような内部告発が出やすい環境を整えなければならない。しかし、至学館大学関係者はこの度の〈文春砲〉(から始まった騒動)は大学というコミュニティそれ自体に対する攻撃だと受け取っているようだ。つまり、「悪質な嫌がらせや誹謗中傷」は実質的には栄氏に対する援護射撃として機能してしまっているわけだ。谷岡郁子学長については、「パワーハラスメント」の有無はともかくとして、「誹謗中傷」は止めてほしいと言った方が説得力があるだろう。同僚の潔白を信じたいという気持ちは理解できるけれど、調査もせずにアプリオリに無実だと断定しても、第三者には説得力がないし、「誹謗中傷」する連中にガソリンをあげているようなことになるんじゃないかと思う。因みに、今回問題となっている「パワハラ」は大学ので行われた(と疑われている)ことだ。
さて、


栄和人氏、心身衰弱で日常生活困難…至学館大が発表」http://www.hochi.co.jp/sports/etc/20180308-OHT1T50052.html



また、


貴乃花親方、協会を内閣府に告発 暴行問題調査と理事解任「重大な疑義」」http://www.hochi.co.jp/sports/sumo/20180310-OHT1T50025.html


こちらも「内閣府」へ。


大相撲の貴乃花親方(45)=元横綱=が9日、部屋の公式ホームページ(HP)を更新し、弟子の十両貴ノ岩(28)=貴乃花=が元横綱日馬富士関(33)から暴行被害を受けた問題*2で、日本相撲協会の対応に問題があったとして内閣府に告発状を提出したことを公表した。協会の調査を「公正中立とは到底言えない」、自身の理事解任を「正当な理由のない行為」などと批判し、立ち入り検査を求めた。

 春場所初日を2日後に控えた夜、貴乃花親方が捨て身の告発を敢行した。部屋の公式HPによると、協会危機管理委員会による調査を第三者によって行われたものではないとし、「被害者の主張を聞く前に中間報告要旨を公表し、その後の最終報告においても重要な点で被害者の主張が全く反映されておりません」と指摘。「公正中立な内容とは到底評価できない」と批判した。

 今年1月に受けた理事解任処分についても「法的には、解任事由に相当するような理事の職務義務違反になると認めることは困難」と主張。処分を決めた評議員会に対し「私が求めた弁明の機会を与えずに、理事の解任という重大行為に及んでいます」と記した。その上で相撲協会が公益財団法人として適切な運営に支障を来すとして、監督機関である内閣府の公益認定等委員会に立ち入り検査や適切な是正措置を求めた。